鹿島でまた”ドタバタ”?!岩政新監督が今日初陣もコーチ組閣が間に合わない
しかし、ここでコーチが空席となれば監督の仕事が一気に増える。 ましてや、関東社会人リーグ1部の東京ユナイテッドFCでプレーした2018シーズン限りで引退し、指導者の道を本格的に歩み始めていた岩政氏は、Jクラブの監督はおろかコーチに就くのも40歳で迎える今シーズンが初めてだった。 果たして、公式戦で7人を上限にベンチ入りできるチーム役員には、岩政監督代行に続いて現役時代は鹿島、モンテディオ山形、アルビレックス新潟などでFWとしてプレーした中村アシスタントコーチ、佐藤GKコーチ、そして4人のスタッフが入った。 コーチの人数が足りない日々の練習では、必要に応じてアカデミーのスタッフがサポートに入った。自身にさまざまな負担が集中し、場合によっては不具合を起こしかねなかったシーズン序盤で、鹿島の総力を結集させて好スタートを切っただけに、監督代行ではなく監督として臨む今回も「同じように乗り切りたい」と自信をみなぎらせた。 さらに指揮官の視線は、近い将来に組閣される自身のコーチングスタッフにも向けられている。あらためて「サッカー界、あるいはこれまでの鹿島のやり方とはまるで違う作り方になる」と語った岩政監督は、待ち遠しいとばかりにこう続けた。 「それがどのようになっていくのかは僕にもわかりませんが、絵は描けているつもりなので。もう少し先になりますけど、新しいコーチングスタッフたちが来れば、彼らとディスカッションをしながら、という作業が始められる」 初陣の相手となる福岡は、今シーズンで実に4度目の対戦となる。 いずれもヴァイラー前監督が指揮した試合で、敵地ベスト電器スタジアムへ乗り込んだリーグ戦では、いまもJ1得点ランキングのトップタイに名を連ねるFW上田綺世(23、現サークル・ブルージュ)の一発で勝利。しかし、YBCルヴァンカップのプレーオフでは1勝1敗ながら、アウェイゴールの差でベスト8を前に敗退した。 3日と10日に行われたルヴァンカップ準々決勝。コロナ禍に見舞われた福岡はリザーブが第1戦で4人、第2戦ではわずか3人で、ともにゴールキーパーを2人ずつ配した苦しい陣容でヴィッセル神戸に連勝。クラブ史上初のベスト4進出を果たした。 「何度も対戦してやり方はわかっていますけど、ルヴァンカップで結果を出して勢いがある点で、かなり警戒しなければいけない相手。みなさんの期待と不安のなかで始まる試合でもあるので、不安を払拭して、期待が大きくなるような試合をしたい」 直近の5シーズンのリーグ戦優勝を分け合っている、川崎フロンターレと横浜F・マリノスに追いつき、追い越した先に見すえるのは、かつて何度も拝命した日本で一番強いクラブ。指揮官自らが「新しい」と形容詞をつけた鹿島は、台風一過のホーム、県立カシマサッカースタジアムで18時に再出発のホイッスルを迎える。 (文責・藤江直人/スポーツライター)