鹿島でまた”ドタバタ”?!岩政新監督が今日初陣もコーチ組閣が間に合わない
「日本がシーズン中ですし、ヨーロッパのシーズンも始まった後なので。僕が呼びたいと思った人物はほぼ来てくれそうな状況ではありますけど、(チームへの)合流はもう少し先になると思います。なので、楽しみにしていただければと思います」 7月に入って失速し、白星から遠ざかったとはいえ、ヴァイラー前監督が解任された時点で鹿島は4位だった。ゆえにサッカー界では驚きをもって受け止められ、大きな波紋も広げた指揮官交代後の初陣をコーチ不在の体制で迎える。周囲から見れば“ドタバタ劇”に映る状況でも、実際に指揮を執る岩政監督は泰然自若としている。 理由は今年の序盤に特異な経験を積み重ねた約2ヵ月間にある。 新型コロナウイルス禍で外国人の新規入国が制限されていた影響で、ムルジャコーチのチーム合流は3月9日、ヴァイラー監督とクレクラーフィジカルコーチの合流は同15日と、2月19日のJ1リーグ開幕よりも大幅に遅れてしまった。 1月11日に始動し、24日からは宮崎市内でキャンプに突入した鹿島の指揮を執った岩政コーチは、そのまま監督代行として公式戦5試合で采配を振るった。特にリーグ戦で3勝1敗の結果を残し、暫定3位でヴァイラー前監督にバトンを託すまでの期間は、岩政監督のなかで「すごく手応えがあった」と位置づけられている。 「いろいろな勝ち方を含めて、自分のなかですごく多様な経験ができたので」 JクラブのなかでもJ1の規模になると、コーチングスタッフも多岐にわたる。 今シーズンの鹿島はムルジャ、岩政両コーチに加えて、中村幸聖アシスタントコーチ、クレクラーフィジカルコーチ、佐藤洋平GKコーチ、曽ヶ端準GKアシスタントコーチ、有江卓テクニカルスタッフがヴァイラー体制を支えた。 2人体制のコーチは大宮アルディージャや湘南ベルマーレでFWとしてプレーし、セルビア代表にも名を連ねたムルジャ氏が攻撃面を担当。高さと強さを兼ね備えたセンターバックとして、2007シーズンから達成された鹿島の前人未到のリーグ戦3連覇に貢献し、ワールドカップ南アフリカ大会に出場した岩政氏が守備面を担当した。 さらにストレングスコーチ、フィジオセラピスト、アスレティックトレーナー、通訳、主務、副務、チームドクターで構成されるスタッフ、そして選手たちを含めた全体をマネジメントし、最終的な決断を下してチームを勝利に導くのが監督の仕事となる。