お金のない日本人を「4時間8000円」で行列に並ばせる…日本で暗躍する"中国人転売ヤー"の知られざる実態
■飲食店従業員や学生が「買い子」「並び屋」に そのグッズを仕入れるには実際に現場でモノを買う「買い子」や「並び屋」が必要になってくるのですが、それも動員しやすかった。 なぜなら、日本でも緊急事態宣言で飲食店従業員たちが職を失ったり、授業がオンラインになったりしたことで暇な学生が増えたからです。その人たちが次々と「買い子」や「並び屋」になりました。この時期を機に、転売市場のシステム化が一気に進んだように思います。 オムツの転売をしているグループがいたとして、これまではそのブームが終わればグループ自体も解散になっていたところが、システム化されたことによって同じ組織が次々と異なる商品を転売するようになりました。転売が持続的なビジネスになったんです。 ■「お一人様1点まで」が転売ヤーの旨味になる ――今、コロナ禍は終わったように思いますが、そのときにできたシステムによって、転売市場は引き続き盛り上がっている状態なんですね。 おっしゃる通りです。ディズニーグッズはかなり息が長いですが、羽生結弦グッズは一時の盛り上がりよりは落ち着いています。ですが、転売ヤーたちは次にどんな商品の需要が伸びるか常に探しています。それさえ見つけてしまえば、あとはシステムに当てはめるだけなので。 ――現在(2024年11月)の転売市場のおけるトレンドはどんな商品になるでしょうか。 数年前まではロレックスやウイスキーなど、利益率が多く取れる高額商品が人気でした。ただ、中国の経済が不況ということもあり、そういった商品が扱いづらくなりました。 今はディズニーなどキャラもののグッズ、とりわけ限定品が人気です。そもそもの価格が高額ではないので薄利多売で儲けるしかないのですが、限定品であることから希少価値が上がり、利益率も高くなる。加えて、「お一人様1点まで」といったように販売側が転売対策を講じることによっても希少価値は上がってしまいます。結果として、転売ヤーの利益率が上がってしまうという事態も起きているんです。