40代独身、貯蓄2000万円を達成。今から早期退職したら、老後資金は尽きるでしょうか?
早期退職を考えたときに、どうしても老後に必要な資金について気になるでしょう。もし40代で貯蓄が2000万円を達成していても、このまま老後まで過ごせるか不安になるかもしれません。 そこで本記事では、早期退職のメリットとデメリット、また2000万円の貯蓄が老後にどれだけ持続可能なのかや必要な生活費と可能な生活水準について解説します。 ▼定年退職時に、「1000万円」以上の貯蓄がある割合は日本でどれくらい?
早期退職のメリット
早期退職とは、定年前に自分の意思で退職を選択することです。会社の業績悪化による事業縮小で急きょ募集される希望退職と異なり、早期退職は優遇措置が手厚いことなどから「早期退職優遇制度」とも呼ばれています。時間に余裕が生まれるため、趣味やこれまでの経験や知識を生かした新たなキャリアにチャレンジすることが可能です。 また退職時に支給される退職金が多くもらえたり、特別手当が支給されたりするなど金銭的なメリットと転職支援が会社から受けられる場合もあります。そのほかにも、若手従業員が活躍する機会を与えて、キャリア形成を促せるなど企業側にも大きなメリットがあります。
早期退職のデメリット
早期退職を選択するということは、毎月の月収を得ていた時のような定期的な収入がなくなることを意味します。新しい職場を探す場合にも、再就職先がすぐに決まるとは限らないため、退職金と貯金を取り崩して生活することになります。 また無職で厚生年金に加入していない期間が増えると、年金の受給額も減少する恐れがあります。金融庁の発表している「家計の金融行動に関する世論調査2022年」(単身世帯調査)によると、老後の生活費における収入源の約64%が公的年金です。つまり、老後の生活資金の大半を占める年金は老後の大きな収入源なので、なるべく加入期間を増やしておきましょう。
必要な生活費とは
次に、2000万円の貯蓄で老後に必要な生活費が賄えるかを見てみましょう。2019年6月に金融庁の金融審議会市場ワーキング・グループが発表した報告書「高齢社会における資産形成・管理」によると、進行する高齢化を背景に老後30年間で約2000万円が不足するという試算結果が話題となりました。 しかし、自身の生活背景や望む生活水準によって必要な生活費は変わります。総務省統計局の家計調査によると、単身世帯の消費支出は月額約16万円です。つまり、年間で192万円が必要な計算となるため、2000万円を取り崩しながら生活すると考えると「2000万円÷197万円=10.4年」で約10年間の生活資金となります。 40代の10年後はまだ年金の給付まで時間があるため、2000万円の貯蓄でそれまでの期間を過ごすやりくりについて考えておくことが必要です。