西武の来季新監督に西口文也2軍監督就任へ 外部招聘検討もチーム熟知の〝レジェンド〟エースに再建託す 渡辺久信監督代行は退任へ
西武は来シーズンの新監督として西口文也2軍監督(51)を昇格させる方針を固めた。外部からの招聘(しょうへい)など多様な検討を進めた中で、チームの現状を熟知する西口2軍監督に白羽の矢を立てた形だ。既に辞意を固めている渡辺久信監督代行(59)の後を受け、今季極度の低迷に陥ったレオの再建を担う。レギュラーシーズン終了後の正式発表に向けて、最終調整を行っている。 ■SNS騒然…監督休養の松井稼頭央さんがベルーナドームに【写真】 チームは今季3年ぶりの最下位が決まっているほか、ここまで44勝88敗2分けと極度の不振にあえいでいる。開幕後から苦しい戦いが続き、5月には松井稼頭央監督(48)が休養。後を受け、渡辺監督代行がゼネラルマネジャー(GM)と兼務で浮上を図ったが、狂った歯車はかみ合わなかった。前身の西鉄時代だった1971年の84敗を上回る球団ワースト記録の非常事態に陥るなど、巻き返しを期する来シーズンに向けて、立て直しが急務となっている。 西口2軍監督は西武一筋で通算182勝を挙げた球団の〝レジェンド〟。和歌山県出身で、立正大から94年ドラフト3位で西武入団。リーグ優勝を果たした97年に最多勝、沢村賞、MVP、最多奪三振、最高勝率に輝いた。翌年も最多勝と最多奪三振を獲得するなど、在籍21年の通算成績は436試合で182勝118敗6セーブ、防御率3・73と一時代を築いた。 2015年限りで現役を引退した後は1軍や2軍の投手コーチを務めたほか、2軍監督も3年務めるなど経験を積んできた。昨秋の「みやざきフェニックス・リーグ」では優勝を果たしたほか、育成と同時に勝利を重視して優勝を目指すことを球団として確認し挑んだ今季のイースタン・リーグは、ここまで62勝50敗8分けで、首位のDeNAと3・5ゲーム差と優勝争いを展開するなど、若手育成の手腕はもちろん采配面の評価も高い。 定評のある投手力の一層の強化を進めることはもちろん、今季の不振の大きな要因となった打線の強化にも着手できる体制を構築するべく、今後組閣作業も本格化させていく予定だ。 ◆西武・最近10年の成績 年 順位 成 績 監 督 15 4位 69勝69敗5分 田辺徳雄 16 4位 64勝76敗3分 田辺徳雄 17 2位 79勝61敗3分 辻発彦 18 優勝 88勝53敗2分 辻発彦 19 優勝 80勝62敗1分 辻発彦 20 3位 58勝58敗4分 辻発彦 21 6位 55勝70敗18分 辻発彦 22 3位 72勝68敗3分 辻発彦 23 5位 65勝77敗1分 松井稼頭央 24 6位 44勝88敗2分 ※松井稼頭央 【注】24年は9月22日現在、監督の※は休養、渡辺久信監督代行が指揮
西日本新聞社