【菊花賞】大輪の菊咲かせた!アーバンシックがGI初制覇 ルメール騎手は史上4人目連覇達成
クリストフ・ルメール(45)=栗・フリー=騎乗で2番人気のアーバンシックが、鮮やかな末脚を発揮してGⅠ初制覇。同騎手は2週連続のGⅠ勝利で、2年連続で菊花賞を制した。管理する武井亮調教師(43)は開業11年目でJRA・GⅠ初勝利となった。2着に4番人気ヘデントール、3着に7番人気アドマイヤテラが入った。1番人気の日本ダービー馬ダノンデサイルは6着に敗れた。 最高の鞍上を味方にラスト1冠で雪辱を果たした。アーバンシックが直線で力強く抜け出してGⅠ初制覇。先週の秋華賞に続いてGⅠ連勝を決めたルメール騎手が満面の笑みを浮かべる。 「馬の能力をよく知っていたので、自信を持って乗りました。2週連続でGⅠを勝てるのはすごいですね。すごくうれしいです」 道中で先頭に立つ馬が何度も入れ替わる激しい展開だったが、名手は冷静だった。序盤は折り合いをつけて、中団後方を追走。2周目の向こう正面で流れに乗り、ギアを上げて一気に好位まで進出した。抜群の手応えで直線に向くと、大きなストライドでグングン伸びて後続に2馬身半差をつける快勝だった。 昨年のドゥレッツァに続くVで史上4人目の菊花賞連覇を果たした鞍上は、「結構プレッシャーがありました」と明かす。なぜなら、前走で手綱を取っていた馬が4頭いた中でアーバンシックを選んだからだ。「菊花賞を勝つにはタフさが必要。春から重賞レベルで走っていたし、彼が一番タフだと思った」。他陣営に断りを入れただけに、結果を出さなければならない重圧とも戦っていた。「パドックで見たときにすごくきれいで静かだった。返し馬でも落ち着いていたから自信がありました」ときっちり責任を果たした。 開業11年目の武井調教師はJRA・GⅠ初制覇。「もともとすごい能力があると思っていて、GⅠの舞台でいい結果を出せていなかったので、勝ち切れたということがすごくうれしいです」と喜んだ。春は皐月賞4着、日本ダービー11着と辛酸をなめたが、ひと夏を越してセントライト記念、菊花賞と連勝。「精神面が成長したのが大きい。競馬場での仕草、返し馬などの雰囲気が格段に大人になった。それが本来持っている能力を出せた一因だと思う」とトレーナーは目を細めた。 今後は未定だが、鞍上が「(車に例えるなら)ポルシェ・カイエン。体が大きくてギアアップできる。またGⅠで勝てると思います」と胸を張れば、師は「他の世代と戦っても負けないぐらいのポテンシャルがあると思う。もっと勝ちを積み重ねられるように頑張りたい」と力を込めた。