クラシコ&ミラン戦に連敗のレアル、アンチェロッティ「私たちに欠陥があるのは明らか。このままではシーズンの終わりまでたどり着けない」
5日のチャンピオンズリーグ・リーグフェーズ第4節、レアル・マドリーは本拠地サンティアゴ・ベルナベウでのミラン戦を1-3で落とした。カルロ・アンチェロッティ監督は試合後、チームに欠陥があることを認めている。 ベルナベウでのクラシコを0-4で落とした後、バレンシア戦が延期となり1週間半の猶予を持ってこのミラン戦を迎えたマドリー。しかしパフォーマンスの低調はぶりは変わらず(バレンシア自治州の大雨・洪水被害の精神的影響も考えられるが)、再びベルナベウで土をつけられた。12分にCKからティアウの先制点を許すと、23分にFWヴィニシウス・ジュニオールのPKで一時追いつきながらも、39分にモラタ、73分にラインデルスにゴールを決められている。 試合後会見に出席したアンチェロッティ監督は、いつもの落ち着き払った様子ではなかった。 イタリア人指揮官は冗談を言う余裕などもちろんなく、緊張した面持ちで、いつもより早口で言葉を紡いでいった。自チームが機能不全に陥っていることを認め、解決策を見つける必要を説いている。 「こうした状況で、いつまで落ち着いていられるかって? 落ち着くかどうかという問題ではない。私たちに何かが足りないのは明白だ。チームは良いプレーを見せられていない。とりわけ、ここ2試合はそれが顕著だった。問題を解決しなければならない」 「今みたいな時期に不満を覚えるのは当然だよ。(ため息をつきながら)しかし、今夜はとても長くなるね。これからの数日間、夜は非常に長いものになるんだ。考えを巡らせ、解決方法を探して、失われたソリッドさを再発見しなければならない。私たちはここ3試合で9失点を許している。それはソリッドさに基礎とするこのチームにとって、あまりも大きい数字だ」 アンチェロッティ監督は、レアル・マドリー指揮官に復帰した2021年以降で最も難しい時期にいるかを問われて、こう返した。 「いやいや。闘って、考えて、懸命に練習に励む時期は毎シーズン訪れる。これは当たり前のフェーズなんだ」 「当たり前ではないのは、あれだけ勢いに乗っていたこのチームが、ここ最近の試合で一気に落ち込んだことだ。それもフットボールの一部だと言えるだろう。すべてが完璧だと考えたら、つまずいてしまうんだよ。だがフットボールが素晴らしいのは、たとえつまずいても、すぐに起き上がれるチャンスをくれるところだ。私たちは昨季のチームに戻れるはずだ」 チームが抱える問題としては、何よりも守備面を挙げている。 「今日の試合で心に残していること? 私たちが問題を抱えており、それを早く解決しなければいけないということだ。土曜にはもう次の試合(ラ・リーガ第13節オサスナ戦)がある。守備面については、当然ながら今夜のようなことは繰り返せない」 今季CLにおいて、レアル・マドリーは走行距離が非常に少ないチームだが、それは問題ではないのだろうか。 「走ることは私たちの特徴ではない。昨季の私たちは最も走ったチームではなかったにもかかわらず、CLを勝ち取った。それは問題にはなり得ないよ」 「問題はソリッドさと規律だ。私の選手たちが怠けていると言うことはできない。しかし、集団として効果的なプレーを見せられていないことは確かだ」 得意なプレーエリアが重なるヴィニシウスとエンバペの同時起用が攻撃の停滞を招いているとの指摘には、次のように返答した。 「今日、私たちは多くのチャンスを手にしたが決定力を欠いてしまった。私の意見では、もっとゴールを決められたはずだった。深刻なのは、相手チームがこちらのゴールに簡単に到達していることだ。それこそが最初に解決しなければならない、憂慮すべき問題だ」 昨季と比べて、ドレッシングルーム内の雰囲気が悪くなっている可能性はないのだろうか。 「いや、健全だよ。もちろん今は、プレーに臨む姿勢について多くの批判を受けてるが、しかしそういった批判は過去にも起こったことだった」 「人々の意見は受け入れるだけだ。私たちの調子が良くないことを受け入れて、もっと改善していかなければならない。今みたいな状態で、シーズンの終わりにたどり着くことはとても難しい」 「繰り返すが、私たちは問題を解決しなければならない。もっと良い守備を見せる必要があり、それこそが鍵を握っているんだ」 アンチェロッティ監督は選手たちが一一丸となって、ここから一歩を踏み出すことを期待している。 「全員で一緒にね。苦しんできた私たちは、今こそ前へ進むべきだろう。苦しみは団結を強くするのだから」 「選手たちが私のように落ち込んでいるとしたらうれしい。チームの全員が、どうやったら最高の自分たちを引き出せるのかを考えているのならね。私はこのチームが上向いていくことに自信を持っているよ」 取材・文/江間慎一郎