【解説】尹大統領の逮捕も現実味? 狭まる包囲網…四面楚歌状態に
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尹(ユン)大統領による戒厳令を巡り、韓国政府に捜査のメスが入りました。一体この問題はどこに向かおうとしているのでしょうか。 11日、ソウルでは大統領府に家宅捜索が入りました。そして、すでに逮捕されている尹大統領の最側近である金龍顕(キム・ヨンヒョン)前国防相が自殺未遂をしていたということも分かりました。 そして警察庁の長官、さらにはソウルの警察のトップも拘束されているという、まさに異例の事態となっています。韓国では今どうなっているのか、ソウル支局から報告です。 (河村聡記者報告) 先週も弾劾(だんがい)訴追案の採決が行われましたが、この時は与党が大統領側に付きました。これによって不成立となったわけなのですが、その後、捜査が本格化しました。11日になっても続々と新しい情報が出てきています。 こうしたなかで、韓国国内ではデモ集会など民衆がいかにも日増しに盛り上がってきています。 こうしたなかで与党の中からもこれ以上、大統領をかばっていられないということで、造反を宣言する議員も続々と出てきています。 尹大統領としてはまさに四面楚歌(そか)で打つ手なしといったような状況になってきています。 (Q.大統領府の他に国会警備隊や警察庁にも家宅捜索が入っているわけだが、尹大統領が逮捕されるということもありえるのか?) 本当にこちらでは弾劾が先か、それとも逮捕・拘束が先か、こういったようなレベルになってきています。 まず、弾劾については14日に再び採決が行われる見通しです。 与党からも造反議員が続々と出てきているので、あと3人が造反すれば可決というところまできています。 一方、捜査の方でも11日、警察が大統領府の家宅捜索に入りました。この令状には容疑者は尹大統領らと明記されていたのです。 こうしたなかで、韓国メディアは今週中には大統領本人への取り調べ、あるいは場合によっては拘束の可能性すらあると伝えています。 ただ、現職大統領の拘束となると歴史上、初めてのことです。社会の混乱も予想されます。 捜査当局としては先に弾劾案の成立を待ち、その後、首相に権限が移行してから逮捕・拘束、こういったようなシナリオを描いているものとみられています。
テレビ朝日