やっぱり永遠はないじゃないですか――EXILE HIROが語るコロナ禍334公演中止の乗り越え方、そして「引き際」
無観客ライブ配信はLDHのスタイルではない
予定していた2020年の全ライブ中止を決断したLDHだが、新規に有料配信ライブ「LIVE×ONLINE」を7月からスタート。バーチャルならではの演出にも凝り、ライブ配信自体がひとつの映像作品となっている。 そもそも、HIROには「無観客ライブ配信」への違和感があったという。 「LDHのエンタテインメントは、ドームやアリーナ、ホールなど、お客さん達と一緒に同じ空間を共有しながらパフォーマンスをすることで様々な可能性が広がってきましたが、それができなくなってしまったという時に、LDHらしい配信ライブをつくりたいなと……。既存のライブをお客さんなしでそのままパフォーマンスするのは、僕らのスタイルと違うと思ったので、『無観客ライブ』という形ではなく、画面を通して伝わる感動や興奮を新しいエンタテインメントとして表現したいと思いました。無観客だからこそできるカット割りやカメラアングル、演出にこだわった『LIVE×ONLINE』という新しいエンタテインメントを提案し、それを新たなブランドとして成立させて、ファンの皆さんに喜んでもらうのが、LDHのスタイルなのかなって考えたんです」 収益の軸であるライブ公演ができない事態に創業以来初めて直面し、「LIVE×ONLINE」や、定額制で過去のライブ映像や生配信番組を見られる動画配信サービス「CL」をスタートさせたLDH。エンタテインメントを継続的に提供していくための認識も大きく変化したという。 「当たり前だったことが当たり前ではなくなってしまった今、あらためて世の中、何が起こるかわからないと思いました。震災、SARSやMERSもあって、さらにはコロナがあり、これから5年後や10年後を考えたときに、また何があるかわからない。このコロナが収束したとき、今までのエンタテインメントを復活させることに加えて、近い将来、世の中がまたこのような事態になったとしても、自分たちのエンタテインメントが成立できるように準備しておかないと、エンタテインメントでずっと食べていくことはできないなと、痛感しましたね」