「部下に自分で考えてほしい」はリーダー失格。いまのリーダーに必要なマインドとは?
2. 何をしたらゴールが達成できるか、が不明確 ゴールが明確になっても、まだメンバーを動かせません。それは、そのゴールを達成させるために何をしたらいいかが不明確だからです。たとえば、仮にゴールが「顧客に新しい価値する」「商品のブランディングをする」だったとしましょう。経営者のあいまいな言葉を紐解き、「よし、ゴールはこれだね」と言葉にできたとしても、まだ話は終わりません。 この例でいえば、「顧客に新しい価値を提供する」「商品のブランディングをする」という言葉があいまいで、人によって解釈が異なります。もしかしたら、何をしたらいいのかさっぱり思いつかない人もいるでしょう。 ここで必要なのが、目的の明確化と言葉の定義です。顧客に新しい価値を提供するといっても、目的は様々です。商品単価を引き上げるためなのか、リピートを増やすためなのか、また口コミを誘発するためなのか。この目的が明確になっていなければ、作戦など立てられるはずはありませんね。 3. メンバーに「今日の動き」を伝えられない 「そんなこと、自分で考えろ」。 ぼくは会社員時代、上司からよくこう言われていました。ぼくは当時、一般消費者向けのネットサービスに関わっていました。しかし、チームの方針がまるで示されず、各自が思い思いに「いいサービス」を作っていました。ただ、全体がバラバラで非常に効率が悪かったため、チームメンバーがやるべきことを明示してほしいとリーダーに伝えました。その結果、「そんなこと、自分で考えろ。自分たちで話し合ってうまく擦り合わせてくれ」とだけ言われました。 言い方はともかく、これでは確実にリーダー失格です。リーダーはメンバーたちの「動き方」を示さなければいけません。そしてそのために、メンバーたちが「今日、何をすれば、望んでいる成果が出るのか」をリーダー自身が理解していなければいけませんね。 大きく考えれば、この3つを明確に捉え、明確に言葉にできる人は、「自走するリーダー」になれます。そしてどんな企業(経営者)にとっても、自走するリーダーは喉から手が出るほど欲しい人材であることは間違いないでしょう。 メンバーに自走してほしいと考える前に、リーダー自身が自走できるようになりましょう。そして、自分ができるようになったら、次は自分の分身となる立場を育成できる段階になりますね。
木暮 太一