「あのくそオヤジどもが」KPOP界騒然お家騒動の全容、HYBEと全面対決「ミン・ヒジンの乱」行き着く先
ミン代表はこの契約について記者会見で「奴隷契約」と訴えたが、HYBEは「通常の契約を結んだ」としており、前出の証券業界関係者も「通常のもの」と話していた。 ■時代を読む天才といわれたヒジン氏 韓国ではこの騒動により、ミン代表が訴えた、アイデアやコンセプトにも著作権を設けるべきではないかという話が業界を中心に出始めている。 HYBEは2005年にBTSを育てたパン・シヒョク議長が立ち上げた(当時はBIG HITエンタテインメント。2021年3月にHYBEに改称)。弱小事務所とした知られた同社は、BTSのグローバルな成功により2020年にエンタテインメント企業としては初めて韓国取引所のメイン市場「KOSPI」に上場した。
2018年頃からは韓国の他の音楽事務所を次々と買収し、2021年5月には、ジャスティンビーバ―などが所属するアメリカの「イサカ(Ithaca)・ホールディング」も手に入れ、現在は傘下にアメリカ、日本を含め11社のレーベルを擁す。今やK-POP界のモンスター的存在となった。 ADORのミン代表はもともとSMエンタテインメントでビジュアルディレクティングを務め、数々のK-POPアイドルスターのブランドを手がけてきた。日本の第2次K-POPブームを作った「少女時代」にはスキニーボトムを施してファッショントレンドを作り出すなど、その実力は業界では知られた存在で、時代を読む“天才”ともいわれた。
パン議長は、2019年、ミン代表をHYBEのブランド総括(CBO)として迎え入れた。ミン代表の、自身の手でアーティストを創りたいという意向を受け、2021年にはHYBEが160億ウォン(約18億円)を出資し、新レーベルADORが設立された。 BTSに80%~90%依存しているといわれたHYBEの業績もこうしたマルチレーベル化により昨年、資産は5兆ウォン(約5700億円)を超えた。今年2月の実績説明会でも、「HYBEのマルチレーベルシステムは特定アーティスト、レーベルへの依存度を縮小しようと各レーベルが独立して運営されておりレーベル間の競争と協力が成り立つよう設計されている」とパク・ジウォンCEOは話していたのだが、その矢先に起きたこのお家騒動はもはや泥沼状態だ。