「追い払っても帰ってくる」『ムクドリ』の大群 鳴き声は“ゲーセンレベル”騒音にふん害 しかし「カメムシ食べる」役割も
■追い払うことで増加するやっかいな存在 しかし「カメムシ食べる」役割も
大群で市街地にやってきて、騒音被害などが問題となっているムクドリ。その解決策について専門家に聞くと、思わぬ答えが返ってきた。 都市鳥研究会 越川重治副代表:追い出して、それがうまくいったと言っているんですけれども、実はこれ解決策にはなっていなくて。(追い出されたムクドリは)郊外には行かないんです。追跡して検証すると、隣の駅だとか、あるいは隣の自治体に移動してしまうんです。人間が何もしなければ、大きなねぐらが数カ所(しかない)という感じだった。対策をすると、また別の場所に移っていくという。 なんと、人間がムクドリを追い払うことで新たなねぐらができて、むしろ市街地に住みつく数が増えてしまったというのだ。また、嫌われてばかりのムクドリだが、これからの季節に気になる、「あの虫」対策に一役買っているそうだ。 都市鳥研究会 越川重治副代表:カメムシも食べています。ムクドリを全部退治してしまうと、おそらく農業だとか、街路樹にもかなり大きな影響が出るんじゃないかと思いますね。 生態系には必要、でも近くにいたら困るムクドリ。その対策は、困難を究めています。
■住民悩ます「ムクドリ」根本解決は難しい
「ムクドリ」の大群による騒音やふん害に住民が困っているケースが、全国で多発しているようだ。 自治体の職員が苦労してムクドリを追い払っているが、ある場所から追い払っても、別の近くの街に移動してしまい、根本的解決には至らないということだ。 根本的解決、つまり駆除や捕獲することは、法律上難しくなっている。 菊地幸夫弁護士:鳥獣保護法という法律がありまして、野生の動物や鳥を勝手に捕獲したり、殺したりすることは禁じられています。許可があればできるんですけど、簡単にその許可は出ません。(騒音やふん害で駆除することは)難しいと思います。
■「ムクドリ」増加 一方で「スズメ」絶滅危機 大きな視点で『生態系』考える必要
ムクドリが増えている一方、身近な鳥であった「スズメ」が絶滅してしまうかもしれないという気になる話がある。環境省の調査で「絶滅危惧種」の基準に相当するペースで急速に減少しているということだ。 原因について、都市鳥研究会の越川副代表によると、「繁殖場所」「エサ(農作物・昆虫)」の減少も考えられるということだ。 関西テレビ 神崎博報道デスク:スズメの繁殖場所や好む場所として、例えば一軒家の瓦屋根の隙間であったり、軒先といった所があります。最近ですと瓦屋根が減っています。あとそもそも一軒家が減って、集合住宅やマンションとなり、スズメの好む場所が街中からどんどん減っていることがポイントかなと思います。 スズメが減ることは生態系にも影響が出ることになる。都市で生活している人は困ることもあるかもしれないが、地域あるいは国、さらに地球全体で生態系の保護を考える必要もありそうだ。 (関西テレビ「newsランナー」 2024年10月17日放送)
関西テレビ
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