【こたつクマを生きたまま放獣】「成獣になったばかりの痩せたクマなので…」市役所に寄せられる賛否の意見 担当者は「切迫した状況で、殺すか生かすかありきの対応はできない」
「今回の件を受けて、30~40件くらいの連絡が役所にきています。中には『また(クマが)戻ってきたらどうするんだ、危ないだろう』という批判的な意見もありましたが、『放獣してくれて、ありがとう』という肯定的な意見が多いです」 市役所に寄せられる意見の多くは当事者以外からのものだ。市としては、そのような意見のためというよりも、住民の生活を最優先した判断がたまたま、今回は放獣になったということだろう。 一方、こたつにクマが現れた近隣住民に話を聞いてみると──。 「この辺はよくクマがでるから、足跡とかもあるよ。法的には害獣で、人家に入った場合はね、クマよか人間のほうが大事だからね。でもクマも生きているんだよな」(70代男性)
「4年くらい前の秋の夕方の話なのですがね、ちょうど山を登って休んでいたんですよ。夕方で暗くなってきていて見えなくてね、気付いたらほんの1メートル先に熊がいて。周りが木に囲まれていて、暗いと本当に見えないのよ。 犬が吠えたら熊が立って、そしたら本当に大きくて、1メートル60センチくらいあってね、私より大きくて……。また犬が吠えてくれてね、そしたらクマがクルミの木に登ったんですよ。鉄砲持っている人たちに電話してね、そのクマは殺処分になりました。 殺処分は可哀想だけど、とにかく農作物の被害もあるから、なんともね」(70代女性) 「殺処分すれば、動物愛護の観点からどうなのかなと思う所もあります。かと言って、怪我人が出る事故も起きているんですよ。バランスよく考えるのがこのあたりに住む人たちみんなの考えだと思います。最近は若い人たちがSNSで極論を言い合っていますが、実態を見てほしいですね。今回は怪我人がなく無事に済んだのが何より良かったです」(60代男性) クマの近くで生きる人たちはたくましかった。 (了。前編を読む)
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