【2024ドラフト】高校日本代表候補強化合宿でNPBスカウトが熱視線! 投手は素材&将来性、野手は木製バットの対応力を確認
2024年の有力高校球児が一堂に集まるという、NPBスカウトからすればこの上ない機会であった。「第13回 BFA U18アジア選手権」に向けた、侍ジャパンU-18代表の選考を兼ねた合宿。レベルの高い選手たちが、同じ状況でプレーするのは、判断材料としては最適だからだ。各球団とも有益なデータを持ち帰った。 【選手データ】箱山遥人 プロフィール・寸評
貫録を見せた健大高崎高・箱山
NPB全12球団46人のスカウトが視察した合宿2日目。実戦形式の練習は午前、午後の各7イニング制で、投手1人が3つのアウトを取って交代という特別ルールで行われた。打者は第13回 BFA U-18アジア選手権(台湾)でも使用する木製バットで臨むなか、今春のセンバツで初優勝の原動力となった箱山遥人(健大高崎高)、同大会で2号アーチを放った正林輝大(神村学園高)が本塁打を放った。箱山は木製バットでの初本塁打。高校生NO.1捕手と称される右の強打者が貫禄を見せた。正林は「打球の飛び方はあまり変わらない感じがしました。振りやすさは低反発バットと木製ではバランスが違っていて、慣れているという感じでもない」と、感触については明言せず。正林は1打席目でも左越え二塁打を放っており、インパクトを残した。
花咲徳栄高・石塚の攻守走の三拍子に注目
センバツ不出場組の中で、NPBスカウトの注目を最も集めたのは、石塚裕惺(花咲徳栄高)である。「実戦では少しのズレがあって対応しきれなかった部分はありましたけれど、ところどころは芯でとらえた当たりはありましたし、完全に打てなかった、という感じはなかったです」。実戦終了後にブルペン投球するセンバツ準優勝右腕・今朝丸裕喜(報徳学園高)のボールを見て「角度もあるし、球の勢いがありました」と全国のレベルを肌で感じる中、健大高崎高・箱山から甲子園優勝の秘訣を聞くなど親交も深めた。
プロを本気で目指すようになったのは、2試合で6打数5安打2打点と結果を残した昨秋の関東大会終了後。ただ、花咲徳栄高・岩井隆監督からは「プレー以上に、視野を広くして、チームのための声かけも大事」と言われた。秋以降は冬季限定でキャプテンに就任し、多方面への目配り、気配り、心配りの感覚も磨いた。個人のテーマとしては「守備面です」とキッパリ。「足運びが良くてキャッチボールから低く強いボールを投げる選手ばかりでした」と刺激を受けた。高校通算20本塁打を誇る右の大砲についてDeNA・八馬幹典スカウトグループリーダーは「走攻守、三拍子そろっていて、総合力が高い。打撃はインパクトが強く、今年の上位候補に入ってくると思います」と評価している。 センバツ2回戦(対神村学園高)でランニング本塁打を記録した境亮陽(大阪桐蔭高)は、50メートル走を5秒8で駆ける俊足だけでなく、1年秋は投手を務め、最速146キロを誇る本格派右腕としても注目された二刀流でもある。類いまれなスピードが特長で「身体能力の高さが魅力」と評価するスカウトが多かった。