【2024ドラフト】高校日本代表候補強化合宿でNPBスカウトが熱視線! 投手は素材&将来性、野手は木製バットの対応力を確認
石見颯真(愛工大名電高)は、昨秋まで外野手だったが、今春から挑戦した遊撃手としてのセンスに着目し、対応力の高さに今後も注目していくという声も聞かれた。
自信を植え付けた北照高・高橋
左腕で目についたのが金渕光希(八戸工大一高)。最速144キロでカーブ、スライダーなど変化球の精度も高い。高橋幸佑(北照高)も注目を集めたサウスポー。今回の合宿で、自己最速を2キロ更新する146キロを計測。合宿直前まで行っていた関東遠征でも、練習試合で144キロと自己最速を更新し、急成長中だ。実戦では1安打、3奪三振、無失点。正林から見逃し三振を奪った真っすぐはキレ味抜群だった。「自分の課題であるバラツキがあったし、全体的なバランスもまだまだでした。でも、真っすぐは出力もあって、自分の思う球は投げられました。現時点の自分の真っすぐが通用し、自分の立場も分かった」と、胸を張った。
育ったのは神奈川県横浜市も、生まれは札幌市。2018年夏の甲子園に出場した北照高を観戦し、母の出身地の強豪校を一般受験で入学した。昨秋は72kgの体重が、食事改善とウエート・トレで80kgまで増え、投球にも力強さが出た。「高校入学時は球速が120キロ出たらいいかなという感じでした」という球速も25キロ以上アップ。「(実戦では)変化球はスライダーとカーブだけで勝負しました。右打者の内角への球は自信がありますが、自分よりすごい投手がいるので、この経験を生かしたい」と、貴重な経験を手にし、目標を夏へと向けた。 右腕は今朝丸裕喜(報徳学園高)の評価が高い。センバツ決勝まで勝ち進んだため、疲労を考慮して今合宿での実戦登板は見送られた。187cmの長身で「体ができてくればさらに良くなる」という見方をするスカウトも多い。同じく186cmの長身で、最速154キロ右腕・平嶋桂知(大阪桐蔭高)は、実戦では打者6人をパーフェクトに抑えた。「今朝丸君と並んで素材がいい。球に力がある」と評価するスカウトもいた。昨春のセンバツから今春まで3季連続甲子園で勝利を挙げた高尾響(広陵高)は、総合力が高い。投球のうまさ、完成度もある。センバツ8強の原動力となった阿南光高・吉岡暖も持ち味を披露した。
高校生は4月から6月にかけて最も伸びる時期とされ、今後、どう成長していくか、スカウトはさらに目を光らせる。 取材・文=沢井史 写真=牛島寿人
週刊ベースボール