〈NZ不動産〉大都市オークランド、人口増加で不動産価格上昇中だが…まだお買い得物件がある地方都市の名前【現地バイヤーが解説】
不動産価格の上昇が続くオークランド。なかなか手が出しにくい状況が続いていますが、地方都市にはまだお買い得物件を探せるエリアがありました。※本記事は、2024年8月5日現在の情報に基づいて執筆されています。 【早見表】年収別「会社員の手取り額」
オークランドの不動産価格、平均100万NZドル越えに
ニュージーランド最大の都市で、観光都市・国際都市のオークランドの不動産価値は高く、平均100万NZドル越えとなっています。しかし、100万NZドルはあくまでも平均値であり、海が少しでも見えれば価値は上がり、セントラル地区、ノース地区では150万NZドルが平均です。西方面では、100万NZドルだと土地付き1戸建て物件が買えます。 筆者が居住しているオークランドでは、近年、70万~90万NZドル内の価格帯でありながら、部屋数が3部屋を保てる長屋のタウンハウスが多く開発されており、初めてマイホームを買う若い世代に人気です。 一方、オークランドから南へ車で2~3時間に位置するワイカト地方では、一戸建て3部屋物件の平均が70万NZドル台で推移しており、なかには40万NZドル台の物件もあります。具体的には、約800m2の土地に家が2戸建つイメージで、投資運営する上では賃貸利率もよく、売却するなら1戸70万NZドル前半といったところです。 本来なら90万NZドル台で売りたいところですが、金利上昇中の昨今、その金額ではなかなか買い手がつかない(買い手の手が出ない)状況にあります。苦肉の策として70万NZドル台に値下げし、ようやく契約オファーが出ても、今度は60万NZドル台へ値下げ交渉を持ちかけられてしまうのです。
日本人オーナーの物件、ガッカリのあとのうれしい展開
ある日本人のオーナーの売却物件は、上記のような厳しい状況にありながら、円安傾向がプラスに働いて購入希望者の値下げ交渉が許容できたことで、一度は契約成立の流れになりました。しかし、買い手の資金繰りがうまくいかず、契約解除となってしまいました。 延長依頼も受け、待っていたのに解約か…と落ち込みましたが、そんな思いもつかの間、1週間もたたないうちに、最初の契約解除を聞きつけた別のセールスマンがオファーを持ちかけ、なんと最終的には3者からオファーが! マルティプルオファーというのですが、それぞれ競い合ってベストオファーを出し、3者の契約内容を吟味できることとなりました。結果、3者とも解除になった契約より価格が上です。なんと運のよいことでしょう。 3者の具体的な契約条件の内容ですが、下記のようになっています。 (1)…提示金額がいちばん安いが、条項はなし。 (2)…提示金額はいちばん高額で期待通りだが、条項が複数出されている。 (3)…価格は3者の中間だが、資金繰りに問題なし。条項は2つついている。 通常は、(1)のように無条件で買ってくれる方を選ぶのが得策です。しかし、あまりにも(2)(3)の方がよい金額を提示するため、せっかく無条件でのオファーではありますが、候補としてはいちばん最後です。 吟味の結果、契約解除となってしまった最初の交渉相手より5万NZドル高い金額を提示した(3)の交渉相手に心が動いたものの、やはり資金繰りに問題ない相手のほうが確実であるとのことで、家主様は(2)のオファーを選択することになりました。 オファー1つなら悩む余地なく話が進むのですが、3つも出ると決断は難しくなります。この物件に関しては、さらに4番目の買い手候補も出るかもしれず、いまもまだ目が離せない状況です。