『オシャレ魔女 ラブ and ベリー』生みの親を取材 “親子の会話のきっかけに”ゲームに込めたこだわり
■渋谷、新宿、池袋…衣装のアイデアは“街”からも
Y2Kファッションの流行もあり、現在でも“かわいい”と評価されている『オシャレまほうカード』の衣装たち。当時、どのように衣装を考えていたのか伺うと、「ファッション雑誌は、上だと30代向けの雑誌から10代向けの雑誌まで全部見た」と、当時のほぼすべてのファッション雑誌に目を通し、アイデアの参考にしていたといいます。 ただ、近野さん自身はお子さんが2人とも男の子だったため、「全然、女の子の世界が分からなかったんですよ。それこそ街に出て、女の子のはやりは何なのかというのを(チームのみんなで)話したりとか、一緒にやっている女性のデザイナーと色んなディスカッションをしながら、“どんな遊びをやってきたのか、どんなものに憧れをもってきたのか”っていうのを一生懸命学ぼうとしていました」と語りました。 実際に、近野さんが足を運んでいた街については「渋谷、新宿、池袋とかそれぞれ街によってカラーがあると思うので、どの街をテーマに衣装を考えようかというのも参考にさせていただきました」と、街ごとに異なるファッションも衣装のヒントにしていたということです。
■「かわいく見せるために」バーコードにも工夫が
“ラブベリ”では、プレーするごとに髪型・服・靴などが描かれた『オシャレまほうカード』が1枚もらえ、そのカードのバーコードをゲーム機にスキャンすることで、キャラクターをステージに合ったコーディネートに着せ替えることができます。こうしたカードのコレクション性も、人気に火がついた要因だといいます。 近野さんによると、『オシャレまほうカード』の細部にまでこだわりがあったそうで、「当時男の子向けの『ムシキング』では、(カードの)左右にバーコードがついていたんですが、『ラブ and ベリー』は片側にしかついていない。そこには、服をより大きく見せたいっていうのがあったりとか。あとは、今までバーコードって白黒だったんですよ。でも、『ラブ and ベリー』は、ピンクのベースに水色のラインっていう、当時見たことないようなバーコードのデザインにしている」と、明かしました。 「白と黒だとあまりにもカッコよくなり過ぎちゃうので、かわいく見せるためにはどういうことができるんだろう。バーコードをきちんと読み込まなきゃいけないので、どんな色の組み合わせだとエラーなく読み込めるんだろうっていうのを試行錯誤しながら色を決めました」と、細部にまで“かわいい”を追求したことを語りました。