「歌舞伎町式」と名付けられた闇...新宿のカオスに紛れ、ひっそりと営まれる「違法風俗店」の「ありえない実態」
他店から女の子を借りてくることも
好感の持てる丁寧な前戯。風俗経験は割とあるようでなかなかのテクである。正直そんなにサービスが良くなくても許せるぐらいの見た目なのだが、多分真面目な子なんだろうな……。 興奮が最高潮になったタイミングでゴムが装着され、身体と身体が一つになる。薄暗く狭い店内で、こんな美女が自分の腰の上で踊っている。ありえない状況が、いま平然と行われている。 日本には知らない世界がまだまだあるんだな……。ちゃんと看板が掲げられた、シティヘブン(風俗情報サイト)にも載っているような風俗店でこんな子と遊ぶとしたら、いったいいくらかかるだろうか……。 果てるまでそう時間はかからなかった。 「すごいね、みんな日本人ってすごくない?」 「そうなんですよ。日本の子と外国の子、両方がいる店も近くにありますよ」 「え? 近くに同じような店があるの?」 「あるんですよ。そこから(女の子を)借りてくることもあります」 「え……ちなみにその店はどこにあるの?」 「それは……(笑)」 「言えない?」 「言えない(笑)」 やはり女の子にとってもアングラな店、違法な店という認識はあるみたいだ。 ちなみにこのような形態の店(日本人の女の子が在籍する同種の店)は、私が確認しうる限り一時期最大4店舗は歌舞伎町に存在していた。 店の面構えはさまざまで、ガールズバーのような風体に擬態している店もあれば、深夜のレンタルルームを間借りして営業を行っている店もあった。
黒人は2回戦も
だがこういった店は摘発を恐れたり賃貸の問題があったりして、いつの間にか移転していたり閉めてしまったりといった理由でなかなか定着しないのだ。 「あれ、無くなってる」という感じで何もなかったように消えてしまっていることがよくある。だがこの店は10年以上ここで営業しているらしい。どうしてSNSで話題にならないんだろう。「オキニ隠し」みたいな心理でみんな教えたくないのかな。 「ちなみに時間って何分なの?」 「このコースは45分。たまにワンショット(この店の用語らしい)じゃ足りない人がいて、2回戦やる人がいるからそういう人は上のコースで入る。ここは外国のお客さんが多くて、黒人の人とかは2回戦やる人多いですね」 「やっぱり外国人のお客さん多いんだね」 「キャッチの人が連れてくるんです。直接来たら1万円なんですけど、キャッチの人に連れてこられると1万5000円とか2万円とかしちゃう。悪質な人は5万円とかで案内するキャッチの人もいる(笑)」 「1万円でもめちゃくちゃ安いよ……」 「安いですよね(笑)新宿では1番安いと思う」 そんな雑談をしていると規定の45分を告げるタイマーが鳴る。帰り際にすれ違った女の子は、クリアファイルの写真で見た地雷風メイクの子の1人だ。まさにすぐそこのトー横にいそうな見た目で、もしかしたらトー横キッズも在籍してたりするのかもしれない。 大満足のサービスを受けて店を後にする。ボロいエレベーター内でも未だ信じられないという気持ちが収まらない。こんな店が日本にあるなんて。あんなに若くて可愛い子がたった1万円で身体を売っているなんて。 約70年前に売春防止法が施行され、日本人の若い女の子が身体を売る裏風俗は関西の各新地を除き存在しないと勝手に思っていた。 でも、あった。歌舞伎町の雑踏とカオスに紛れ、ビルとビルの暗闇を這うネズミのように、雑居ビルの一室で静かに息をしていた。 まだまだ日本には、私たちの知りえない闇が存在するのである。
パイナポー裏ch