600馬力が2000馬力に変身!? 本気になれば3倍4倍当たり前ってマジか! クルマのエンジンチューニングの世界がヤバすぎた
チューニングに限界はない
エンジンのチューニングを行うというのはある意味、夢の追求ということができます。コストと労力をかければいくらでも上を目指すことはできるので、ツルシの状態から何倍ものパワーが発揮できたり、元の状態からは想像できない迫力をまとうことも可能です。 【画像】エンジンチューンされがちで人気の高い日産のRB26DETT型エンジンなどの画像を見る それは自己満足の世界ではありますが、追求した結果、記録を出したり注目を集めたりすると、これ以上ないくらいの達成感が得られたりします。そして、その栄光や記録を目の当たりにした人のなかからそれを目指すフォロワーが誕生し、到達点が新たなベースとなり、さらにレベルが上がっていくというサイクルが起こります。 記録自体も長い目で見ると10年前では想定していなかったレベルに到達していることは珍しくありません。当時の技術では限界でしたが、ほかの分野からの技術が入って来たりしてブレイクスルーが起こり、一気にレベルが底上げされたりという例は枚挙にいとまがありません。 そんなチューニングの世界、先に「コストと労力をかければいくらでも上を目指すことはできる」と書きましたが、それでも現状での限界はあります。そして実際にチューニングを行う際には無限の資金などあり得ないので、コストと結果の兼ね合いも気になるでしょう。 ここでは、「ライト」、「ガチ」、「アルティメイト」と3段階にわけて、いくつかのジャンルのエンジンを見て行きたいと思います。合わせてザックリとした費用(エンジンのみ)も併記するので、もしチューニングを目指すという場合は参考にしてください。 ■まずはチューニングの概略から チューニングというのは本来「調律」や「同調」という意味の言葉です。なので、社外のECUでプログラムを変更して燃調や点火時期をベストな状態に合わせていく「セッティング」と呼ばれる作業がその本来の意味に近いと思いますが、実際はパーツや構造、材質を変更してエンジンの出力や特性を変えていくことをチューニングと呼んでいます。 チューニングのメニューはそれこそ千差万別で、入門編といえるエアクリーナーの交換レベルから、もはや原型を探すのが困難なほどモディファイされ、もとの数倍の馬力を発揮するものまで、フトコロ事情や情熱、あるいは使命の大きさに応じてレベルはさまざまです。 ベースは市販車のエンジンであることがほとんどですが、ひとくちに市販車のエンジンといっても燃費重視のタイプや出力重視のタイプなど、その目的に応じて排気量や性能のレベルは異なります。 基本的にチューニングというのは、耐久性や実用性を削って出力向上に効く構造や素材に換えていくのが常套手段ですが、たとえば各メーカーの出力性能重視タイプのエンジンの性能はかなり高いところにあり、スペック上は20年前のレーシングエンジンに迫るほどのレベルと完成度になっているので、チューニングによって出力が向上できる余地はけっして多くありません。 逆に出力向上の余地が大きいのは自然吸気の実用エンジンです。単純にターボ化することで大幅なパワーアップが見込めますし、もとが出力重視ではないため、上記の耐久性と実用性を犠牲にする常套手段が使える余地が大きいといえます。 これらのチューニングの概要を踏まえて、それぞれのエンジンタイプごとのチューニングの可能性を見ていきましょう。