バンガードがドル買い、市場の米利下げ予想は行き過ぎとの見方
(ブルームバーグ): 世界最大級の資産運用会社の一つであるバンガードは、市場の米利下げ予想は行き過ぎだとの見方から、今週ドルを買っている。
1兆7000億ドル(約241兆円)のアクティブ運用ファンドを保有する同社は、7月に構築したドルのショートポジションを解消した。これは、米連邦準備制度理事会(FRB)の緩和サイクルが、市場が織り込んでいるほど積極的ではないと予想しているためだ。国際金利責任者のアレス・クートニー氏によれば、18日の利下げ幅が0.25ポイントであるか0.5ポイントであるかは無関係だという。
「ドルのショートポジションが大幅に積み上がっているが、米国の指標は依然として堅調だ。指標が今後大幅に悪化しない限り、FRBの利下げ回数は市場の想定よりも少なくなるとみている」とクートニー氏は述べた。
スワップ市場は年末に向けて合計114ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)の利下げを織り込んでいる。クートニー氏は、米経済は景気後退回避を目的とした利下げを正当化するほど弱くはないと考えている。
バンガードは現在、米ドルを若干買い持ちしており、対スイス・フランで現在の0.84フラン前後から0.90フランに上昇すると見込んでいる。
原題:Vanguard Is Buying Dollars Saying Fed Rate-Cut Bets Gone Too Far(抜粋)
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Anchalee Worrachate