【資産総額1億円超】「私はまだ生きている!」がんを患う90代母、絶叫…70代~60代の4人の子どもの財産争いに「もういい、解散!」→その後のあんまりな顛末
「自宅の独り占めは困る」と兄が…
佐藤さんの母親は自宅不動産に愛着をもっており、売却を嫌がっています。 「兄と姉は全員自宅を保有していますが、私は実家近くの賃貸暮らしです。また、母親のサポートに関わっているのはほとんど私です。母からは〈あなたが継いでくれればねぇ…〉といわれているのですが…」 そして先日、母親は佐藤さんと兄の2人を自宅に呼び出しました。 「母は兄と私だけ呼び出し、相続について〈不動産は二男に継がせたい〉という、母なりの考えを話しました。兄はその場では黙って聞いていましたが、帰りの車のなかで〈母親の面倒を見てくれるのはありがたいが、不動産の独り占めは困る〉といわれてしまいまして…。それに、姉2人にこの話がもれたら、大変なことになりそうです」
目指す着地は「不満の出にくい分割・不動産の有効活用」の両立
佐藤さんの悩みに、提携先の税理士は次のような提案を行いました。 (1)小規模宅地の特例が適用できるのは330m2までなので、敷地のおよそ半分に自宅を建て替え、それを佐藤さんが相続する。自宅の奥に戸建ての貸家を3棟建て、それを長男・長女・二女が相続する。 (2)敷地の半分に自宅を建て替え、佐藤さんが相続する。それ以外の部分は売却して、長男・長女・二女でお金を分ける。 (3)全部を売却し、自宅と区分マンションに買い替え、きょうだい全員で分ける。 佐藤さんはこの3つの案について、母親ときょうだいとともに検討することにしました。 いずれにしろ現状維持では問題が多く、建て替え・買い替えのいずれかが選択肢となるといえます。そのうえで分割を検討し、遺言書を作成することになります。
せっかくの話し合いが…長女・二女のふるまいに母親、激怒
それからしばらくして、疲弊しきった佐藤さんが事務所を訪れました。 「…結局、相続発生後に売却して4分割することになりました」 家族会議の席で、母親が「本当は、二男に自宅を継がせるのが理想なのだけれど…」と前置きをしただけで、長女と二女がヒートアップし、話の継続が不可能に。佐藤さんと兄が必死でその場を収めようとしましたが、どんどん声が大きくなり、収拾がつきません。そのうちなぜか長女と二女がつかみ合いを始め、大混乱になってしまいました。 「お母さんはまだ生きる! あんたたち、一体なんなの!?」 「もういい、もう結構! 解散!!」 母親は病気を抱える90代とは思えない大声で叫び、話し合いは強制終了となりました。 「翌日、私ひとりだけ母に呼び出されました。母がいうには、自宅は売却して4分割、預金は少し多く私に相続させる内容で、遺言書を準備するそうです…」
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