パワーカップルは「将来の老齢年金」もたくさんもらえる?世帯年収1400万円夫婦でシミュレーションしてみた
【最新データ】今のシニアの年金受給額はいくら?
厚生労働省は12月下旬に「厚生労働省「厚生年金保険・国民年金事業の概況」という資料を公表しており、ここからシニアの年金受給額の実態を知ることができます。 資料によると、2023年における厚生年金の平均月額は14万円6429円でした。 ・全体平均:14万6429円 ・男性平均:16万6606円 ・女性平均:10万7200円 ここには老齢基礎年金も含まれます。 平均的な年収(およそ460万円)で働くと、年金受給額は月額約14万円となります。 中には月額30万円以上という人もいますが、1万4292人のみです。全体の1605万4729人のうち、たった0.09%ということで、高額受給者になるのはほんの一握りになるでしょう。 前述のとおり、その分現役当時の年収が高かったことになるため、高額受給者であっても老後の準備が必要であることに変わりはありません。 老後に向けて、どのような準備が有効になるのでしょうか。
老後に向けた対策3選
厚生年金に加入するパワーカップルの場合、夫婦の年金額は30万円を超える可能性があります。 しかし、それまでもっと高い収入を得ていた世帯にとって、老後の備えが十分とも言い切れません。老後に向けてしっかり考えておきましょう。 ●対策1:生活費のダウンサイジングを考える 年金生活になれば、自然と生活費が減ると考える方がいるかもしれません。 確かに年齢があがるほど、質素な暮らしになる可能性はあるでしょう。外で楽しむ趣味よりも、家の中で過ごす趣味が増えるかもしれません。これにより、教育費や住宅ローンだけでなく、交際費などが減るかもしれませんね。 一方で、食事を作ることが億劫になり、連日スーパーの総菜に頼るというシニアがいます。住宅ローンは完済したものの、老人ホームへの入居費用が発生するケースもあるでしょう。 また、医療費や介護費用などがあがることもあります。 元気なうちは旅行などを楽しみ、孫への出費を惜しまない夫婦も多いです。こうした費用を想定しないでいると、収入より支出が逆転する時期が続くでしょう。 まずは「収入の中でやりくりする」ことが重要になります。老後を迎えてからでは難しいため、現役時代のうちからダウンサイジングできる項目は意識しておきましょう。 保険料やサブスクなどの固定費を削減するのもおすすめです。 ●対策2:年金を増やすことを考える 老後の収支が不安な場合は、収入を増やすことも考えましょう。 働き続けることも選択肢の一つですが、健康や介護状態に左右されるリスクも含みます。 そこで考えておきたいのが、年金を増やすことです。 「繰下げ受給」「付加保険料」「60歳以上も厚生年金に加入する」「転職などで年収を増やす」などにより、年金受給額を増やすことを検討してみましょう。 たとえば、65歳で受け取る予定を75歳まで繰り下げると、年金額は84%も増えます。 ●対策3:老後資金を貯める そもそも「老後生活では収入より支出が上回るものだ」と想定し、老後資金を貯める人も多いです。 現役のうちにしっかり貯めておき、老後はそこから少しずつ取り崩して生活するというものです。 実際、公的年金・恩給が総所得の100%を占めるという高齢者世帯は41.7%にとどまっています。 これ以外の世帯は、稼働所得や貯蓄の取り崩し、子世帯からの仕送りなどで生活費を補填しています。 どれほど不足するかは世帯によって異なるので、やはり個別にシミュレーションしてみることが重要です。 年金見込額を知り、老後の生活費がいくらになるかを試算したあと、老後生活を30~35年などで設定してみるといいでしょう。 もちろん、状況はライフステージの進行によって変わるものです。独立して厚生年金を脱退したとき、昇進して年収が大幅にアップしたとき…人生の節目で老後のシミュレーションを微修正すると、老後資金の目標もわかりやすくなるのではないでしょうか。