悔しさの中にある、ほどよい充実感。29歳になったモナコ南野拓実から心境の変化を感じ取った【現地発】
戦術面でも南野の動きが効力を発揮した
南野拓実の奮闘が目立つ一戦だった。 南野が所属するモナコは現地12月11日、欧州チャンピオンズリーグ・1次リーグ第6節で強豪アーセナルと敵地で対戦した。日本代表MFは、0-1と相手リードで迎えた後半開始時から途中出場。試合の流れをモナコに引き寄せるプレーを見せたが、チームは味方のミスからアーセナルに追加点を与え、最終的に0-3で敗れた。 【画像】華やかに可憐にピッチで輝く!世界の“美女フットボーラー”を一挙紹介! 試合は、アーセナルが前半途中から主導権を完全に握り、モナコ陣内に押し込んだ。得点場面以外にも、アーセナルの決定的なチャンスは3回。ガブリエウ・ジェズスが2回、マーティン・ウーデゴーが1回と、いずれかが得点になっていれば、おそらく前半の時点で勝負は決まっていただろう。 こうして迎えたハーフタイム、モナコのアディ・ヒュッター監督がピッチに送り出したのが南野だった。指揮官は、それまでの4-3-3から4-2-3-1にフォーメーションを変更。ローテーションでベンチスタートだった南野を、左MFとして送り込んだのである。 南野の起用効果は抜群だった。南野を軸に、モナコは前線からアグレッシブにプレスを仕掛け始める。南野だけにフォーカスしても、リバプール時代に見せていた激しいプレスと、攻撃から守備へのネガティブ・トランジションで存在感を示した。 攻撃面でも、サムライ戦士は躍動した。左サイドから中央部に頻繁にポジションを移してパスを要求。ある時は最終ラインの背後に抜け出したり、またある時は相手DFとMFの間のスペースに入ってパスを引き出したりと、積極的にボールに絡んだ。 おかげで、モナコは勢いを取り戻した。試合後、「南野選手が入ってから、試合の流れが大きく変わりました。どのあたりを意識してピッチに入りましたか?」と聞いてみると、南野は次のように答えた。 「前半、僕的には消極的なミスがあるように見えた。相手から流れをこっちに持ってくるには、もっと高い位置からアグレッシブに守備を仕掛けたり、攻撃でも、よりダイナミックな動き出しでボールを要求するとか(そういうことが必要だと思った)。 ボールを奪われた後も、どれだけ早く守備に切り替え、プレッシングをかけられるか。僕らは若いチーム。戦術的なところよりも、勝ちたい気持ちを見せながら、勢いを持たせた方が絶対良いと思っていた。そういうところは意識していました」 前へ、前へ──。南野の言葉通り、プレスを掛け始めたモナコはリズム良くパスを回すようになり、得点チャンスも作った。51分には、南野が右足のボレーシュート。この時は大きく枠を外れたが、63分にも左SBカイオ・エンリケからラストパスを受け、南野が枠内シュートを打った。 戦術面でも、南野の動きが効力を発揮した。 左サイドから中央にポジションを移すと、対峙する右SBトーマス・パーテイがマークに付いてくる。必然的に、タッチライン際の左サイドは、マークもスペースも空いた。すると、モナコの左SBがタッチライン際を駆け上がる──。アーセナルのエース、ブカヨ・サカがSBのマークのため守備に戻る必要もあり、モナコとしては相手エースを低い位置に留めるという相乗効果も生まれた。つまり、アーセナル陣内に押し込む形ができあがったわけだ。南野は言う。 「攻撃の選手は、特に自由に動いている。たとえば、逆サイドの選手が(自分と)同じサイドまで来てボールを受けることもある。相手からすれば、すごくやりにくいと思う。でも逆に、その状況からボールを失うと、キツイところはありましたけど。カウンターを何本も受けて、0-3のスコア以上に点差が開いてもおかしくないくらい、相手にチャンスがあった。でも、自分たちのチャンスでゴールを仕留め切れなかったのが、僕ら攻撃の選手たちの反省点かなと思います」 モナコが同点に追いつく雰囲気はあったが、試合は、彼らの不用意なミスにより勝負が決まった。78分、最終ラインでのパス回しでミスが生じ、サカにこの試合2点目のゴールを決められた。0-2。ここで決着はついた。 後半開始時からアーセナルの追加点までの33分間は、モナコが明らかに優勢だった。南野も「0-1の時は、ゴールを取れば、試合の状況が変わる感覚と雰囲気があった。自分たちのミスで失点してしまい、結局、相手に流れを掴まれた。悔しいですね」と唇を噛んだ。
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