2025年セ・リーグ“新人王”は誰だ!? 巨人は左腕、阪神は右腕、中日は…各球団のブレイク候補を一挙公開
広島期待の右腕は「体力づくり」が課題
シーズン3位からの下剋上で日本一を達成したDeNAでは、捕手の松尾汐恩が筆頭候補となる。2022年のドラフト1位で大阪桐蔭から入団すると、1年目から二軍では打率.277、7本塁打を記録。2年目は、一軍に帯同することも増えて規定打席にこそ到達しなかったものの、二軍戦で打率.326と成績をさらに伸ばした。球団関係者からも期待の声が聞かれる。 「自分のタイミングで常にフルスイングできるのがいいですね。それでいながら空振りも少ない。高校からプロに入って、ここまで“打てる選手”はそうそういません。キャッチャーとしても、基本的な肩の強さやフットワークは十分に持っています。あとはいかに一軍で経験を積むかだけではないでしょうか」 難しいのが抜擢のタイミングだ。チームには、2024年のベストナインに輝いた山本祐大がおり、年齢的にもここから捕手として成熟していく時期である。ただ、選手としてのスケールは、松尾の方が大きいように見える。上手く併用していく方法を探ってもらいたい。 8月まで首位を走りながら、9月に急失速して4位に沈んだ広島。オフにはフリー・エージェント(FA)で先発の一角である九里亜蓮がオリックスに移籍し、さらに苦しい状況となったが、その穴を埋める候補として挙げたいのが、右腕の常広羽也斗だ。 2023年に青山学院大からドラフト1位で指名された。ルーキーイヤーは、キャンプから出遅れたものの、徐々に調子を上げて一軍昇格を果たすと、プロ初登板初先発となった9月15日のDeNA戦では、5回を1失点で初勝利をマーク。続く9月29日の中日戦でも、6回を投げて2失点と試合を作り、“大器の片鱗”を見せた。 強く柔らかい腕の振りから投げ込む150キロ前後のストレートは打者の手元で浮き上がるような勢いがあり、鋭く落ちるフォークのスピード、ブレーキも申し分ない。 ここ一番という場面でギアを上げられるのも、大学時代からの特長だ。状態さえ良ければ、一軍で通用することは証明ができた。1年を通じて投げられる体力をつけられるかがブレイクへのポイントとなるだろう。