あいちトリエンナーレ負担金訴訟「とんでもない判決」 名古屋・河村市長が定例会見で憤り
あいちトリエンナーレ負担金訴訟「とんでもない判決」 名古屋・河村市長が定例会見で憤り
名古屋市の河村たかし市長は30日、市役所で定例記者会見に臨んだ。2019年に開催された国際芸術祭「あいちトリエンナーレ」を巡り、市に負担金支払いを命じた名古屋地裁の25日の判決について、「とんでもない判決。事実誤認も甚だしい」と憤りを見せた。「控訴しないことはあり得ない」として、近日中に市の方針を固めて説明する意向も示した。 【動画】名古屋・河村たかし市長が定例会見(2022年5月30日)
「税金を使って公共の信用でやるのは堪忍」
トリエンナーレはこれまで愛知県の大村秀章知事が会長、河村市長が会長代行を務める実行委員会が主催し、県市がそれぞれ開催費用の負担金を支出してきた。 しかし、2019年の企画展「表現の不自由展」は政治的に偏りがあるなどとして河村市長が反発。市の負担金1億7000万円のうち、未執行だった約3300万円の支払いを拒否した。 これに対して実行委員会側が市を提訴し、実質的に県と市が争う異例の展開となったが、名古屋地裁は展示内容が河村市長の主張するような国民に不快感を与える「ハラスメント」とは断定できないなどとして、市に負担金全額の支払いを命じる判決を言い渡した。 河村市長は「これは表現の自由の話ではなく、税金の使いみちをどう考えるかということ。(ああした反日プロパガンダ的な展示を)税金を使って公共の信用でやることだけは堪忍してくれという市民が圧倒的に多いんじゃないですか」と指摘。今回の判決は「実行委員会という方式を取れば、著しく政治的に偏ったものでも、どうぞやってちょうだいということになる。恐ろしいこと」などと批判した。 一方、不快感を持つ市民が「圧倒的」に多いかどうかや、逆に支持する市民の民意はどう反映されるかなどについては「市民の皆さんがどう考えているのか、いっぺん調査したい」などと述べた。 今回の訴訟費用を市税ではなく市長個人で払うべきではないかとの議論には、「そのため(市として争うため)には必要なお金ですよ」と、税金を充てることを肯定した。
市内での宿泊最大5000円割り引きの「シャチ泊」PR
6月1日から適用される名古屋市独自の観光客誘致促進事業「シャチ泊」についても発表。指定の旅行会社やオンライン予約サイトで手続きをしたり、プレミアム付き宿泊券をコンビニなどで購入したりすれば、市内での宿泊代金や宿泊旅行商品が1人当たり最大5000円割り引きされる。先週まで購入申し込みを受け付けていた市独自のプレミアム付き商品券も利用すれば、さらにお得になる仕組みだという。対象は愛知県と隣接県(岐阜、三重、静岡、長野の各県)の在住者限定。 河村市長は「ぜひ名古屋市内でお金を使って、商売やってる人を元気づけてやってほしい」と呼び掛けた。 (関口威人/nameken)