テスラ新型「モデルY」 改良で大幅パワーアップか 内外装も刷新、質感向上へ
空力性能などに焦点
世界で最も売れているクルマ、テスラ・モデルYは2025年に大幅な改良を受け、内外装の刷新と性能の向上が図られる見込みだ。 【写真】世界で一番売れているクルマ【現行型テスラ・モデルYの内外装をチェック】 (19枚) テスラは2023年末以来、前月比で販売台数が増加していない。この不振から脱却するために、モデルYの商品力を強化する狙いだ。 テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は以前、モデルYの改良は2024年には行わず、他の製品の発売を優先すると述べていた。しかし、コードネーム 「プロジェクト・ジュニパー(Project Juniper)」と呼ばれる改良型モデルYのプロトタイプの写真がネット上で公開され、発表が近いと見られている。 モデルYは2020年の発売以来マイナーチェンジが行われていないため、ライバル車に対する使い勝手や性能の優位性は揺らぎつつある。 例えば、当初は530km以上の航続距離が目玉とされていたが、今ではプジョーe-3008など安価なライバルに抜かれている。 この欠点への対処がマイナーチェンジの焦点となるだろう。小型セダンのモデル3は、エアロダイナミクスと電子制御システムの大幅改良により、1回の充電で従来よりも最大8%長い距離を走行できるようになった。 モデルYも同様に、フロントエンドやヘッドライトの形状が変更され、より効率的に空気を切り裂き、航続距離を伸ばすと同時に、巡航時の風切り音を低減するだろう。 こうした処理により、モデル3の空気抵抗係数(Cd値)は0.23から0.219に低下した。モデルYでは最長560km以上の航続距離を実現する可能性がある。 同時に、使い勝手と品質の向上も目指すだろう。再設計されたセンターコンソール、高級テキスタイル、8.0インチのリアタッチスクリーンがモデル3から引き継がれる見込みだ。 モデル3のマイナーチェンジで物議を醸した要素の1つが、ウィンカー(インジケーター)の操作系をレバーからステアリングホイールに移したことだ。モデルYにも同じような設計変更が行われるかどうかはまだわからない。 改良型モデルYの写真を見ると、従来とは明らかに異なるリアライトバーが確認できる。 ただし、パワートレインや充電システムに劇的な変更を加えることはないと予想されている。モデルYの最大充電速度250kWは依然として強みの1つだ。しかし、最上位グレードの「パフォーマンス」では、新型ポルシェ・マカンらに対抗するため、パワーアップが施される可能性がある。
ウィル・リメル(執筆) 林汰久也(翻訳)