運転中、気づくと目の前にトラックが「死んでいたかもしれません」 命に関わる経験を経て…「自分に素直に生きる選択」で得られたものとは
カナダの環境のおかげで「ありのまま」で過ごせるように
しかし、友達が次々に結婚し、キャリアを築いていくなかで「この選択が正しいのか不安だった」と考えるように。ほかにも、教師になったことを家族が喜んでくれていたことや、4年間大学に通わせてもらったことを考えると、留学するかは非常に悩んだといいます。 「でも、自分の人生に未練を残したくないと思い、最後は退職を決意しました」 そして、カナダに渡航。環境を変えたことで「自分のために生きてる」「ありのままでいい」と感じながら生活できるように。 「それは、カナダで過ごしている人たちの影響が大きかったです」とえりさんはいいます。 「わかりやすい一例をあげると、みんな年齢や性別に関係なく、自分のしたいファッションを楽しんでいて。自分がどうであろうと誰も気にしない雰囲気があります。街ですれ違う人たちがみんな『自分が1番が輝いてる!』と思って生きているように感じられました」 ほかにも、自分の性格にも変化があったと語るえりさん。以前はミスをしないように常に気を張るタイプでしたが「多少いいよね」と、無駄な力を抜いて過ごせるようになったといいます。カナダで一緒に働いた同僚の姿や、彼らが「気にしなくていいよ!」とよく声をかけてくれたことで「やれることをやって起きてしまったのなら仕方ない」「考えても時間の無駄」と考えられるように。 「約2年ほど滞在し、考え方がおおらかになりました。それは勇気を出してカナダに来たからこそ得られたものだと感じています」と話してくれたえりさん。しかし、このまま帰国しても英語力やキャリアの面では中途半端だと感じ、もう1年ワーキングホーリデービザで滞在することを決断。
「やっぱり私は人が好き」教員の経験は無駄ではなかった
ワーキングホリデービザに切り替え、再び新たな仕事を探しはじめたえりさんですが、過去の経歴が教員のみで、事務経験がなかったことでとても苦労したといいます。 「事務経験を積みたいのに、それがないという理由で落とされることが何度かあり、歯がゆかったですね」と話してくれました。そして、最終的に留学エージェントで働けることになります。 業務内容は人材派遣業。学生の代わりに仕事やボランティア先を見つけ、先方に連絡を取り面接のセッティングをしたり、学生と面接の練習をしたりするもの。学生はカナダに来たばかりで英語を話すことに慣れておらず、不安を感じている方も多いといいます。 そんな彼らをサポートし、成長していく姿や合格して喜ぶ姿を見られることに「とてもやりがいを感じています」と、えりさんは話をしてくれました。最初は教員の経験のみということで難航した仕事探しでしたが、その経験を生かせる仕事に就け、そして「やっぱり私は人の成長に携わることが好き」と気づいたのです。