少数民族と「停戦合意」 ミャンマーの大臣が支援求める
60年以上にわたり紛争が続いてきたミャンマーと少数民族の武装勢力が先月末、停戦協定の草案に合意したことを受け、来日したミャンマーのアウン・ミン大統領府付大臣が16日、都内で会見を行い、和平や民主政治実現に向けた支援を求めた。 【動画】ミャンマー政府と少数民族との和平と日本の支援に関する会見 同国は、2011年に軍事政権に代わり、テイン・セイン大統領による文民政府が成立。アウン・ミン氏は、少数民族武装勢力との和平交渉の中心人物として交渉を行ってきた。そして、16の少数民族との間で個別の合意が得られ、停戦協定の草案の交渉を経て、3月31日に合意に至った。それを確定するため、近うちに全国停戦協定に署名する予定だという。
アウン・ミン氏は、今回の来日で安倍晋三首相に大統領からの親書を手渡した。和平実現への取り組み、自由で公正な総選挙の実施、民主主義の実現の3つを改めて約束する内容で、これに向けた日本の支援を求めた。 また、「国づくりのために和平構築は大事。武装勢力や政党各層や国民を含んで政治対話で政治的結果を出したい」と語ったが、記者からは、ミャンマー軍による人権侵害や少数民族との戦闘について問われた。それに対して、「(北部の)カチン地域には激しい戦闘がまだ続いているが、90%まで減らすことができた。様々な課題はあるが、残りの戦闘もなくしたい」と述べた。 少数民族の自治権については、協定の中に連邦制や自治権についての項目があるので、政治対話の中で協議していく、とした。 会見では「ミャンマーは民主主義への移行の途中」であると繰り返した。11月に予定されている総選挙を前に、憲法にあるアウン・サン・スー・チー氏の大統領就任を阻む条項の改正も焦点になっているが、「改正は段階的にやらなければならない。時間がかからないように(スーチー氏らも参加する)6者会談の1回目を行った。4月末に2回目も予定しており、枠組みの作成をしている」と強調した。 会見には、ミャンマー国民和解担当日本政府代表の笹川陽平氏も同席。「まさに画期的。この合意が和平のへの大きな一歩になることを期待している」と語った。