「白髪染め」をやめて得たもの。グレイヘアがきっかけで、50代で天職も見つけた
染めない快適さに満足したら、他人の声が気にならなくなった
案の定、心がズキっと痛むような言葉を書かれることもありました。 「みっともない」「汚らしい」「(染めないのがかっこいいと)勘違いしているのが痛い」「不潔な人」などなど…。なかなか手厳しいコメントの数々に、顔をあげて外を歩くのがいやになった時期もあります。 ですが、それ以上に「似合っている」「そういう髪色も悪くないと思う」「いつかはグレイヘアも潔くていいなと感じた」といった肯定的なコメントもいただきました。そしてなにより、10か月後に完成したグレイヘアの姿に、私自身が満足することができたのです。 たしかに白髪染めをしているときよりは、老けて見えます。でも、髪の根本に数ミリの白髪を見つけるたびに悲しくなり、2週間に1度ペースでリタッチを繰り返していた当時のやるせなさに比べたら、なんと今の気分の健康的なことか! 確実に言えるのは、白髪染めをしていた頃よりも外出が楽しくなり、活動的になったということ。白髪染めのスケジュールに振りまわされることのない人生は、想像以上に快適でした。
グレイヘアになって、外見以外にも変化が
グレイヘアになって外見が変わったと同時に、私の内面も大きく変わりました。周囲の意見を気にしすぎることがなくなったのです。 たとえば「やっぱり染めたほうがいいよ」と言われたとき。以前だったら「そうかもなぁ…」と思い悩み、そう言ってきた人とのつき合い方にも悩むところですが、今では「意見は意見、その人はその人」と、問題をきり分けて考えられるようになりました。「この人は髪色に関しての価値観は違うけれど、ほかの部分では共感できる」といったように。 グレイヘアの問題だけではありません。意見が異なる人と出会ったとき、「あなたはそうなのね」と受け止めつつ、「でも、私はこう思う」と声を上げることが怖くなくなりました。それで一瞬ギクシャクすることもあるかもしれません。でも、お互いの違いが鮮明になったことで、逆にひとりの人間として尊重し合う気持ちが生まれることもあります。 外見が大きく変わり、いろいろな意見にさらされる経験を積んだことで、内面の自信が育まれたのだと感じています。