シェフは名店出身なのにコース4,400円~! 料理も空間も使い勝手もいい、黄金バランスのイタリアン
生ハムとトルタフリッタ✕ロゼスパークリング
VIGOでは、ワインによく合う前菜メニューが豊富に用意されている。中でも、一番人気なのが「生ハムとトルタフリッタ」。田村さんの修業先の一つ、エミリア・ロマーニャ州伝統のおつまみで、トルタフリッタは中が空洞になった揚げパン。
もちもちとしたドーナツのような味だが、生地が薄く軽く食べられるのでおつまみにぴったり。あつあつのトルタフリッタと生ハムの塩気が合わさると、ワインがたまらなく飲みたくなる。
生ハムとトルタフリッタに合わせてもらったのは、ロゼの微発泡ワイン。「伝統的にはランブルスコを合わせるのが定番ですが、あえてバルベーラで造られた微発泡ロゼを合わせました。フレッシュな酸があって心地よく楽しめます」と田村さん。うまみもあって、スイスイ飲めて、最初の一杯としてもぴったりのロゼだった。
黒にんにくパスタ✕オレンジワイン
VIGOのパスタは、乾麺のスパゲッティだけでなく、アニョロッティ・ダル・プリン(ピエモンテのラビオリ)やニョッキ、ラザニアなど手作りも用意されている。その中で目に留まったのが、黒にんにくのペペロンチーノ。黒にんにくと竹炭を練り込んだタリオリーニをペペロンチーノに仕立てた一品で、黒にんにくのフルーティなコクが利いた味わい。
こちらに合わせたいのは、フランスのオレンジワイン。「フレッシュで飲み心地の良い軽やかなオレンジワインですが、凝縮度はあって黒にんにくのペペロンチーノとちょうどよく合います。酸もしっかりあるので、パスタの油もすっきり切ってくれます」と田村さん。個性のある一皿とワインだが、とてもバランスの良いマリアージュだった。
鴨ムネ肉炭火焼き✕キャンティクラッシコ
メインディッシュの肉料理には、茨城県・西崎ファームの「かすみ鴨ムネ肉の炭火焼き」。放し飼いされてのびのびと育った鴨は、ピンク色のきれいな色合い。フランス産の鴨と違って、血のような味わいではなく、あっさりした肉質。炭火焼きで皮目はパリッと中はしっとり仕上げられている。極太のアスパラガスとビーツのソースで彩られ、アートのような一皿となっている。