<一球入魂・’22センバツ木更津総合>第5部 選手紹介/2 朝倉暖内野手/菊地弘樹内野手/空康輔内野手 /千葉
◇丁寧なボールさばき 朝倉暖内野手(1年) 「拮抗(きっこう)した試合で攻撃に弾みをつけることができてよかった」。昨秋の県大会準々決勝(市船橋戦)の一場面をこう振り返る。1点を追う五回表、先頭打者の外野手、山田隼(2年)の本塁打で同点に追いつくと、続く打席で初球を右前に運んだ。自らも生還して勝ち越しに成功した。 それまで外野や三塁を守っていたが、昨秋二塁手に転向した。当初は「これまでと動きが逆になり、慣れなかった」といい、自主練習でも捕球から送球までの動きを繰り返し、体に染み込ませた。今では五島卓道監督も「丁寧なボールさばきをする」と評価している。 新型コロナウイルス感染拡大前までは、練習終わりにチーム伝統の「全力校歌」を歌っていたが、入学以降歌う機会がなかった。「甲子園で勝って校歌を歌いたい」。そんな思いを胸に大舞台に挑む。 ◇強肩強打で支える 菊地弘樹内野手(2年) 強肩と強打で攻守両面からチームを支える。昨秋、公式戦で打った3本の三塁打のうち、一番手応えを感じたのは県大会決勝(拓大紅陵戦)の1本だ。七回2死一、二塁で2球目を強振して右中間に運び、追加点を挙げた。「この後、関東大会に向けて調子が戻ってきた」という。 1年の秋季大会にスタメン入りし、一つ上の学年の選手に混じって戦ってきた。同じ思いでいたつもりだったが、最上級生になった時に抱いた闘志はひとしおだった。思うようなバッティングができない時は、寮に帰った後もバットを振った。併せ持つ勝負強さは「人がいなくなった後も続けた努力」に裏打ちされている。 大会開幕を目前に「センバツでは昨秋以上の打撃を目指す」と奮起する。 ◇俊足生かし5盗塁 空康輔内野手(2年) チーム内での役割を「守備で試合のリズムを作り、次の打者を意識した、つなぐバッター」と自任する。 遊撃手で出場した昨秋の公式戦は、フットワークを生かした軽妙なグラブさばきを見せた。打席では、内角を狙いにくいようなバッティングフォームを意識しているといい、四球の多さも特徴だ。出塁すれば、足の速さを生かして盗塁を狙い、昨秋の公式戦ではチーム最多の5盗塁を記録した。 50メートル5・9秒の俊足はチームでも1、2位を争う。中学時代は陸上部に所属、3年次には400メートルリレーの2走として東海大会に出場した経験も。「陸上部時代に練習した走り方が今も野球で生きている」と話す。「小さい頃からの目標だった甲子園で、守備と走塁からチームを勢いづけたい」