タクシーのほぼ半額の相乗り「GOシャトル」 手頃でラクな移動を叶える
タクシーアプリ「GO」は、12月11日から相乗りサービス「GO SHUTTLE(GOシャトル)」を、東京・有楽町・新橋など都心エリアと豊洲・晴海・有明など湾岸エリアを対象に開始する。 【この記事に関する別の画像を見る】 GOシャトルは、GOアプリから予約して乗車する相乗りサービス。対象エリア内であらかじめ決められた乗降スポット間を移動できる。料金は移動距離に応じた固定金額で約500~1,500円程度。タクシー運賃との比較で5~6割程度の金額になるという。初期は1注文につき1人まで、1台につき最大5名まで相乗りできるが、乗車が1名だった場合でも同料金で運行は成立する。 使用する車両はトヨタ「ノア」など7人乗りのミニバンで、開始時点では15台体制。GOシャトルとして運行している時には、車両のフロントで「シャトル運行中」と表示する。 運行時間は平日7時から22時頃、土日祝日7時から14時頃。日本交通子会社のハロートーキョーにて、パートタイム乗務員「GO Crew」が運行する。GOシャトル運行時間外は、車両は流しは行なわないGOアプリ予約専用のタクシー車両として使用する。なお、運行ルートや時刻は日・時間帯によって変動する。また年末年始を除く。 移動の距離感は2~8kmの街中移動を想定。疲れた日の帰宅、人ごみを避けたい時、乗継なしで移動したい時、確実に座って移動したい時、寒い日や暑い日などの、電車やバスよりは楽で、タクシーほどの料金ではないプチ贅沢の需要を見込む。GOアプリ事業本部の小野山裕己氏によれば「特に、主にはタクシーを使っていない層を中心とした人の、タクシー車両を利用した移動の習慣化を目指す」という。 予約方法は、GOアプリの「GOシャトル」タブをタップした後、画面右下に表示される「+新たに乗車手配する」をタップ。出発/到着スポットの選択、乗車時間の選択と進み、予約を行なう。 あらかじめ決められた乗降スポットを出発/到着スポットに指定する必要があるが、スポットについては「+新たに乗車手配する」をタップした後に、広域からタップを重ねるごとに狭域になるマップ上でスポットを探すことができる。 乗車時は、指定場所・時間に乗車し、指定場所に着席して移動する。座席を指定している理由は、乗り降りの順番を考慮し、車内でのすれ違いを極力少なくすることで、利用者の負担を軽減するため。 また、GOシャトルの予約は25分前までが基本だが、タクシーを利用する際に使用する「今すぐ呼ぶ」からも、乗車地および目的地の近くを走るGOシャトルが運行している場合のみ、GOシャトル利用が可能。相乗りで運行している車両に便乗する形となる。 ■ 人口密度の高いタワマンエリアから開始 相乗りサービスに取り組む背景には、特に朝夕のピークタイムや悪天候時においてタクシーの供給不足が発生するという課題がある。一方で、供給不足解消のために個別輸送の稼働車両を増やせば、渋滞問題が加速し、結果として輸送の効率は低下する。そういった課題解決策の1つとして、1台で複数組を輸送するGOシャトルを提供する。 相乗りサービスを成功させるカギとなるのが、いかに相乗り人数を増やせるかにある。タクシーよりも割安の料金となるため、1人しか乗車していない運行が続くと赤字になるためだ。 この点についてGO 代表取締役社長 中島宏氏は「加盟車両数、ユーザー数が非常に多く、様々な季節や時間帯で、どのくらいの方がGOを使ってタクシーを呼ぼうとしているのか。そしてそれに応えられているのか、あるいはいないのかといった詳細なデータが集まっているのがGOの強み」と説明。加えて、相乗りでマッチングさせるためには、エリアによって異なるタクシー利用者の密度も重要であり、様々なデータを活用しているという。 サービス開始エリアとして選択した湾岸エリアについても、こういったデータから導き出している。湾岸エリアはタワーマンションが多く人口が密集しており、想定通り複数人が乗車する形での運行が成立しやすいと見込む。 タクシー需要は夜中にも多く、不足が発生することもある中で、運行時間を22時までとしているのは、酔客によるトラブルを回避するため。 今後については、開始時のエリアにおける動きやフィードバックを参考にしながら、都心でタワーマンションがある人口密集エリアでの展開を検討。将来的には、特にタクシー不足とともに渋滞問題が発生しやすい軽井沢などの観光地での展開も検討はしているが、都市部とはタイプが異なるため、改めて検証を進めていくこととなる。
Impress Watch,加藤綾