「週80時間のタダ働き」、米DOGEに志願する大学生や起業家は何を望む?
採用予定人数は100人
■採用予定人数は100人 しかし、フォーブスの取材に応じた応募者たちは、こうした厳しい条件にもかかわらず、さまざまな動機からDOGEの任務に関心を示している。2人の関係筋の話によると、この機関の採用予定人数はわずか100人で、特にソフトウェアエンジニアや金融分野の経験を持つ人材が求められている。 「DOGEのスタッフは、12~18カ月間ワシントンD.C.に移住し、フルタイムで勤務することを求められる」とこの関係筋は語った。また、別の関係者は「マスクとラマスワミは、アンドリーセン・ホロウィッツの共同創業者であるマーク・アンドリーセンや、ウーバー元CEOのトラヴィス・カラニックなどの影響力のあるビリオネアたちを、非公式のアドバイザーに起用できる立場にある」と述べた。DOGEが必要としているのは、「週に最大100時間働く現場レベルのスタッフ」だという。 マスクとラマスワミの広報担当者は、この記事へのコメント要請に応じなかった。DOGEのXアカウントからも返信はなかった。 暗号資産関連のスタートアップ、Rainbowでマーケティング責任者を務めるトム・ディーンは、DOGEでの仕事を通じて自身の「アメリカンドリーム」を実現したいと考えている。英国の田舎町で育ったディーンは、米国での成功を夢見てロサンゼルスに移住したが、近年その夢が失われつつあると感じているという。暗号資産業界で働く中で、彼は政府の非効率性や官僚主義的な面倒なプロセスに悩まされた。 「私はまだ若い理想主義者なので、愛する国のために長時間働くことは苦にならない」と語るディーンは、DOGEが平均的な米国人の暗号資産へのアクセスを改善し、教育分野などにリソースを再投資することを望んでいる。 ベイエリアでコンピューターサイエンスを学ぶある大学生は、「テクノロジー業界の視点を政府にもたらす」というDOGEの可能性に惹かれて応募したと語った。「こういう機会はめったにない。大手テック企業のエンジニア職について、安定した暮らしを送るという道もあるけど、それよりもこういうことに挑戦して、本当に意味のある仕事に全力を注ぐほうがいい」と彼は述べている。 フィンテックスタートアップのForageを共同創業したジャスティン・インタルは、フードスタンプのクレジットをオンライン化する取り組みを行った自身の経験から、DOGEが農務省のような政府機関とスタートアップとの関係を強化できるのではないかと考えている。現在、インタルはYコンビネータの起業家たちが参加するグループチャットに加わり、政府関連のイノベーションの可能性について検討しているという。