ラーメン官僚が厳選する2023年の「最強☆東京ラーメン」7選 #食楽web #ラーメン
年間700杯以上のラーメンを食べ歩く“ラーメン官僚”こと田中一明氏。日々、ラーメンの魅力を多角的に紹介している同氏が、2023年のラーメン界の動向を振り返るとともに、新規オープンした都内の注目店を厳選してご紹介します
2022年下半期から2023年上半期にかけて、未曽有の新店ラッシュに沸いた、都内ラーメンシーン。 【画像】ラーメン官僚イチオシ『Japanese Ramen五感』の「醤油らぁめん」と「塩らぁめん」の異なる麺 さすがに2023年下半期に入ってからは、その勢いが多少の落ち着きを見せ始めたが、今後も当面の間は、2021年以前における標準的なペース以上には、新店の開店が続くことが見込まれる。 2023年に新規開業したラーメン店の傾向を総括しておきたい。都内においては、『桜上水 船越』(桜上水)と『Japanese Ramen五感』(池袋)という、全く相異なるタイプのラーメンを提供する2店舗が覇権を握った。 前者は、ほのかな懐かしさを感じさせる「ネオノス(ネオ・ノスタルジック)」ラーメン、後者は、店主独自の創意工夫が施された「現代型淡麗」ラーメンを提供する。一見すれば、両店のラーメンは、内容を明確に異にしているように見える。 しかしながら(これは私見になるが)、どちらも味の設計主である作り手の“ラーメン観”が透けて見えるラーメンであることは共通している。ラーメンのタイプこそ異なるが、その点については、根底相通じるものがある。 他店に目を転じても、『Ramen Afro Beats』(新宿御苑前)、『だしと麺 遊泳』(東高円寺)、『らぁ麺屋のさかいさん』(北千住)といった、2023年に注目を集めたラーメンは、その店でしか味わえない“唯一無二性”を持ち合わせたものが目立つ。これからは、そんな作り手の顔が見える一杯が、強い支持を集めていくのだろう。 この「BESTラーメン」コラムでご紹介する店は、2022年と同様に粒ぞろい。つまり、2023年を代表する7軒である。ぜひ機会を見計らって食べに行ってもらいたい。
スケール感と懐の深さを合わせ持つ稀代の名杯|『桜上水 船越』(桜上水)
船越店主は、都内を代表する実力店『渡なべ』の出身。 オープン当初からスーパールーキーとして高い支持を集め、2023年10月には、一都三県の優良店を表彰する『第24回TRYラーメン大賞2023-2024』の新店部門において、総合第1位の栄誉に浴した。文字どおり、2023年を代表する優良新店だ。 現在(2023年12月現在)、『桜上水船越』が提供する麺メニューは、「塩中華そば」と、そのバリエーションのみ(醤油は提供休止中)。