一部の防衛装備品に生産撤退の動き 桜林氏登壇 三重「正論」懇話会
三重「正論」懇話会の第33回講演会が5日、津市のホテル津センターパレスで開かれ、防衛問題研究家の桜林美佐氏が「防衛装備のジレンマ 〝第4の自衛隊〟」と題して講演した。 桜林氏は、昨年10月に防衛生産基盤強化法が施行され、「防衛装備品の国産化を目指す世界の流れにようやく追いついた」と指摘。ただ「防衛装備品の特殊性能や保全などに多大な経営資源を投じる一方、これまでは原価の査定が実際よりも低かった」と述べ、適正な利益を確保できずに「一部の装備品生産から撤退する大手企業も出ている」と憂慮した。 また防衛装備品の輸出ルールを定めた防衛装備移転三原則に触れ、「目的は平和貢献・国際協力であり、これを見失ってはいけない」と強調した。