「未婚ですが、41歳で閉経しました」その後、結婚した男性の目的が「生」と「介護費用節約」だったという地獄
日本国内における「50歳の未婚率」が男女ともに上昇しているとされるなか、最近ではシニア婚が増加傾向にあるという。こうした現象は、老後孤独に陥りたくないという「大人世代」の心理の表れだろうか。 「突然、下半身が『血まみれ』に!」更年期世代に起きる「最後の花火」をご存知ですか? 危機管理コンサルタントの平塚俊樹氏は、熟年婚活の落とし穴についてこう指摘する。 「熟年世代が婚活する理由はさまざまですが、経済的に誰かによりかかりたい、介護を手伝ってほしい、といった打算的な理由でパートナーを探す人も一部にはいるようです。利用されて悲しい思いをしないためには、『良縁』にもすぐには飛びつかず、お相手の状況をしっかりとチェックする冷静さが必要なのではないでしょうか」 40歳以上で婚活アプリを使って結婚したことのある方を探していく中で、「今思うと、あれは詐欺のようなものだった」と話す女性と出会った。 今回取材を受けてくれたのは48歳のパート従業員・此木あゆみさん(仮名)。数年前に始めた婚活を一度は実らせたが、そのお相手とは現在別居中だという。 「婚活アプリを恐る恐る使い始めたのは45歳の時で、2人目にマッチングした相手と交際に発展し、46歳で結婚しました」 あゆみさんは初婚、お相手の男性は再婚だった。1人娘のあゆみさんは遠方へ嫁ぐのがいやだったため、相手の男性が近隣の自治体で暮らす会社役員だったことに「運命」を感じたという。ただし、あゆみさんには一つ気がかりなことがあった。 「実は私は41歳で閉経しました。40歳未満の閉経ではなかったので医学上は『早期閉経』にはあたらないらしいのですが、閉経は閉経なので、子供を産んであげられないことは間違いがありません。それが心配でしたね」 子供を望む人には相手にしてもらえない、という不安を抱えての婚活。プロフィールに料理と温泉が趣味であることを書き込み、「面倒見が良く、好きになると尽くしてしまうタイプです」などと自己PRをしてみると、複数の男性が「いいね」をつけてくれた。 「その中で2番目にお近づきになったのが後に夫となった人。同世代で温泉めぐりという共通の趣味もあり、話がどんどん盛り上がりました」 あゆみさんと意気投合したのは1歳年下のバツイチ男性。実際に会うと、清潔感があって若々しい人だった。当時のあゆみさんは、10歳年上の未婚のいとこと温泉旅行に行くことを唯一の楽しみにしていた会社員。突然開いた結婚への扉に、胸が高鳴ったという。 「私の顔も控えめな性格も凄くタイプだとか、これまで未婚でいてくれたことに縁を感じるとか、嬉しいことをたくさん言われました」 男性はお金にルーズな様子はなく、それどころか交際初期から収入や貯金額まで正確に教えてくれたという。会社役員であるせいか、男性の暮らし向きはかなり良さそうだった。 「私も早期閉経のことを正直に伝えました。私はその頃45歳になったばかり。もしかすると相手は『子供もギリギリいけるかな』と期待しているかもしれないと思ったので、がっかりさせたくなくて最初に言ったんです」 子供ができないことに対し、男性は「そんなことはどうでもいい。僕はあなたさえいればそれでいい」と言って悲しそうな顔をするあゆみさんを感激させた。 「籍を入れる前、一度温泉旅行に出かけました。あんなにときめいたのは何年ぶりかなっていうくらい楽しかったですね」 専用露天風呂のついた贅沢な部屋で、とても素敵な時間を過ごしたという2人。 「若い頃みたいにお互いに盛り上がっちゃう感じで…。こんなアツアツがしばらく続くのかなと思うと、思わず舞い上がってしまいました」 忙しい中でも時間を見つけて日帰り温泉などにも度々連れていってもらい、部屋を取って過ごす度に2人の親密さは増していった。あゆみさんは彼にメロメロの状態となり、結婚話は急ピッチで進んだ。 「部屋が余っているし生活の便がいい所なので、実家で親と同居してほしいと頼まれました。そうなると私の会社はかなり遠くなってしまうのですが、夫に『僕が養うから』と言われ、長年勤めた会社もやめたんです。親は2、3年後には高齢者向けマンションに入居する予定で、同居といってもわずかな間だけだと説得されて……」 あゆみさんが同居を承諾すると、交際3か月目には早くもお互いの両親への挨拶を、という段になった。 「その時の自分に声をかけることができるなら、『挨拶に行くのをやめなさい』と言ってあげたいです」
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