吉原に、メディア王!? 見たことのない大河ドラマ、『べらぼう ~蔦重栄華乃夢噺~』
数あるテレビドラマの中でもひときわ注目度の高い、NHK大河ドラマ。2025年に始まる『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺(つたじゅうえいがのゆめばなし)~』は、〝江戸のメディア王〟として喜多川歌麿、葛飾北斎などを見いだし、謎の絵師・東洲斎写楽を世に送り出した、蔦重こと蔦屋重三郎の生涯を描く物語だ。小芝風花さんが演じるのは、のちに名妓〝五代目瀬川〟として史実にもその名を残すことになる、花の井という女郎。 「お話をいただいたときは、伝説の遊女という役どころにプレッシャーを感じました(笑)。でも単にトップで人気があったからというよりも、自分の気持ちを押し殺してでも吉原や蔦重を支えようとした強さや生き様が伝説になったのかな、と脚本を読んで思うようになりました」
横浜流星さん演じる蔦重は、幼くして両親と生き別れ、引き手茶屋の養子となる。やはり幼い頃、親に売られた花の井とは幼なじみとして吉原で育ち、何でも話せる良き相談相手に。お互い助け合いながら、やがて吉原の再興に尽力していく。 「蔦重とは男の子のきょうだいのように育ってきたのかなと思うくらい、花の井は勝ち気でカラッとしてるんです。だけど吉原という厳しい環境に身を置いて、絶対に報われないことを理解しながらひそかに蔦重に思いを寄せてもいて。蔦重は思ったことに対して真っ直ぐで、花の井から見たら母性をくすぐられるというか、放っておけないんでしょうね」 遊女の役ということで、艶やかな衣装や道中のシーンも見どころ。 「高下駄を借りて歩き方の自主練をしようと思ったのですが、家の中ではできないので公園に持って行ったんです。2、3歩歩いてみたところで人が来てしまったので、急いで回収して家に帰りました(笑)。着飾ったところだけではなく、オフの生活感の描き方も監督は大事にしてくださっているので、ひとりの人間として違った面が見えてくると思います」 戦がなく、町民文化が花開いた江戸中期を大河ドラマで描くのは、今回が初の試み。一方、ここ最近の小芝さんはほかのドラマも含め、この時代にどっぷり浸かっているそう。 「今年はどんな年か聞かれたら『江戸の年でした』と答えるくらいずっと江戸時代で過ごしてました(笑)。これまで御台所(将軍の妻)、町人、そして遊女を演じましたが、同じ時代でも言葉づかいや所作、常識などがまったく違うのも面白くて。このドラマは、今もあるエンターテインメントのために駆けずり回った男性の話ですし、登場人物の気持ちがしっかり描かれているので、歴史ものに難しさを感じるような人でも楽しんでいただけると思います」
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