「ル・コルビュジエ―諸芸術の綜合 1930-1965」、パナソニック汐留美術館で開催へ
ル・コルビュジエ(1887~1965)の後期の絵画芸術に注目する初の展覧会「ル・コルビュジエ―諸芸術の綜合 1930-1965」が、東京・汐留の パナソニック汐留美術館で開催される。 ル・コルビュジエは近代建築の巨匠として世界的に知られるいっぽう、視覚芸術の他分野においても活躍。生まれ育ったスイスのラ・ショー=ド=フォンの美術学校在学時より画才の頭角を現し、1918年から約10年間は画家のアメデ・オザンファンと創始した「ピュリスム」運動のもと、絵を描いた。1930年以降は、午前中は絵画に時間を費やし、午後は建築の仕事をしたというル・コルビュジエ。その活動後半期において、建築の指揮のもとで絵画や彫刻をつなぐ試みを「諸芸術の綜合」と言い表した。 本展は、1930年代以降にル・コルビュジエが手がけた絵画、彫刻、素描、タペストリーを展覧するもの。ゲスト・キュレイターはドイツの美術史家ロバート・ヴォイチュツケが務める。展覧会は4章構成で、国内外から借用した作品約90点(絵画、彫刻、素描、タペストリー、図面、模型、ルシアン・エルヴェの写真作品)のほか、写真資料が出品される予定だ。 建築では、ロンシャンの礼拝堂、無限成長博物館構想、チャンディガールの都市計画、1958年ブリュッセル万国博覧会フィリップス館を紹介。またフェルナン・レジェ、ジャン(ハンス)・アルプ、カンディンスキーといった同時代に活躍した先駆的な芸術家たちの作品を対峙させることで、当時の芸術潮流における彼の立ち位置も浮かび上がらせるという。 なお今回デザインは建築コレクティブ「ウルトラスタジオ」が担当。ル・コルビュジエの内装に着目して、「インテリア」「コーディネイト」「トランジション」をキーワードに、居住空間のなかに置かれた諸芸術の綜合をイメージして会場を構成する。