【解説】利上げは来年早々? トランプ大統領就任で日銀は?
■会見をうけて円安進む
――総裁の会見を受けて円相場はどうなっていますか? 今、こちら、総裁の記者会見の間だけで1円50銭ほど円安になりました。日本時間の未明には、アメリカが金融政策で、利下げをもうちょっとペースを落としていくというメッセージで、朝の段階で結構円安になっていました。 今日昼ごろ、今の大規模緩和維持というのが決まってそこで60銭から70銭ぐらい円安が進み、今の記者会見の最中に1円50銭。昨日に比べますと、今2円77銭円安になっています。
こちらはこの1年の円相場ですが、7月にものすごい円安になった時がありました。その後、一旦円高にはなってきたんですけれども、また最近円安が進んでいます。
■海外や政治状況の影響は?
――今回の判断には海外や政治の状況も影響したんでしょうか? 宮島:日本にしても海外にしても、今政治が不安定だということがあります。もちろん、日銀は独立しているので、政治が直接影響しているとは言いにくいんですが、影響していると思います。 まず日本は石破政権が少数与党になりまして、今、来年度の税や予算を決める話し合いをしているんですけれども、例年と全然違う状態になっています。年内に大きなところが決まらない、あるいは年明けに協議をするのでは、と。 政治から金融政策に関して口出しはされにくいかもしれないですけど、ここで利上げをしたら「余計なことするな」という声も出てくるのかもしれません。不安定な状況だと、利上げのしにくさはあると思います。 それから海外、これは会見でも言ってますけれども、トランプ政権が何をやるか、重要で確実性がないところだと言っています。トランプ氏の政策は、ドル高になりやすいものが並びますが、でもドル高はよくないとトランプ氏は思っています。政策を出しながら全然違うことを言うかもしれない、不確実な状態だと思います。では1月に就任した後はそれが落ち着くのかいうことがあります。 また、大きくはないかもしれませんけれども、韓国で大統領が戒厳令を出すということがありました。韓国通貨のウォンが値が大きく落ちたというわけではないですが、騒動と日銀の利上げが一緒になったりすると、何かのタイミングで通貨危機なども起こりかねないのではという心配もあります。