あの人気店が「食堂小泉」に店名を変えて第2章をスタート!
やはりありました。すごい変化球が!トッピングにした焼き芋がねっとりとして甘くて、これはただものではない!「芋も保湿が大切です」と、水分を与えすぎず飛ばしながら2時間蒸し焼きし、丸一日冷蔵庫で寝かせてから焼いたさつまいもはあまりにおいしく言葉を失います。また、乾燥させてパウダー状にし、程よく塩分を抜き香りを残した黒オリーブを上に散らしたことで味がグッと引き締まります。
こちらは宮崎県のどんこ専門の農家から仕入れた大きな「どんこ椎茸」の上に石臼で粗挽きにしたとうもろこしの衣をまとった焼き牡蠣をのせ、フランスのブルーチーズ「フルムダンベール」で作ったソースをたっぷりとかけた一皿。
牡蠣と椎茸の間に閉じ込めたニラソースは小泉さんのニクイ演出。ニラをすりつぶしただけのソースはまるで収穫したてのような自然がもたらす辛みと香りを感じます。チーズに牡蠣にニラという一癖も二癖もある味わいを肉厚のどんこ椎茸がしっかりと受け止め一体感を生む。さすが、“小泉マジック”!
食感の妙も見事です。イタリア料理の「ポレンタ」のような風味があればと閃いたのが原料となる粗挽きのとうもろこしの粉を衣にすること。このプチプチした食感の後からとろんとやわらかい牡蠣が現れ、最後にプリッとした椎茸で口中を楽しませてくれます。
何でもない食材を絶品料理にする“小泉マジック”
こちらは素揚げした佐土原茄子の上に自家製のふきのとう醤油漬けをのせ、ゆっくり火入れして焼き目をつけた鹿のロースで巻いた一皿。同じく自家製の燻製梅で味を付けた鰹出汁の葛餡の上に鹿肉巻きをのせ柚子の皮を削りかけています。
口にすると鹿肉はとてつもなくやわらかく、茄子もとろけて一瞬にして消えてしまいますが、葛餡の出汁の優しい味わいとくっきりとした梅の味が余韻となって五臓六腑に染み渡ります。さらにハーブとふきのとうがガッチリ手を組み、えもいわれぬ香りで包み込むのです。これはもはやおつまみのレベルを遥かに超えたメインと言っても過言ではない逸品です。