「見に来てくれた君たちに命をあげるよ!」西城秀樹は一体何が凄かったのか<フィルムコンサート参戦記>
ザ・コンテナダンサーズ&ヒデキのゾーンに入ったツーステップ
さて、この年とても楽しいのがコンテナタイムである。 コンテナタイム――。それは、大型トレーラーのコンテナを移動ステージに見立て、客席近くまで行くというニクイ演出である。しかもノリのいい曲が選曲され、その名も「ヒデキ ディスコ スペシャル」! ヒデキと一緒にコンテナタイムを盛り上げるのが、素晴らしいスタイルをした外国人の女性ダンサー2人。お名前が分からないので、リスペクトを込めて「ザ・コンテナダンサーズ」と呼ぶことにしたい。 クッ、ヴィレッジ・ピープルの名曲「ゴー・ウエスト」からの、ヒデキヒット曲メドレーという最高のセトリは何度聴いてもいい! Zepp Nambaも大阪球場も興奮のるつぼ。私の前後左右の皆さん、サイリウムをプロペラのようにぶん回しながら一緒に歌っている。「ブーツをぬいで朝食を」でヒデキがダンサーの方とエロチックな絡みを見せたとき、ギエエエエという悲鳴が響くのもナイス臨場感。 私の一番の萌えポイントは、「ブーメランストリート」を歌い終わったあと、急にアドレナリンが噴出し、地団太を踏むようなハイテンション・ツーステップで魅せるヒデキだ! そして彼は、散々しゃがんだり回ったりした挙句、手に粉をつけ、命綱なしで空中ブランコをつかみ舞い上がり、ステージまで戻っていった……。 数々のミラクルパフォーマンスに、見ているこちらも心のネジが外れる。その後、「ホップ・ステップ・ジャンプ」「セイリング」など、最後まで大合唱になったことは言うまでもない。
ヒデキについていけないカメラワークもまた味
「BIG GAME」で驚くのが、ヒデキの走りっぷりである。イントロや間奏のあいだ球場を走り回り、もうすぐ歌が始まるギリギリで、スライディングをかましステージに戻りマイクを取りセーフ、というイチローばりのテクニックでも魅せてくれる。 当時は有線マイクなので、ヒデキが歌いながらガーッと移動するとヒヤヒヤするが、スタッフが別のマイクを用意しササッと渡すという神連携も拝める。 たまにヒデキの大暴れについていけず、カメラワークがオロオロするのもまた趣深い。ヒデキを見失い誰もいないところを映す、階段が意味もなく映る、ヒデキが乗ったゴンドラの半透明の底部分が延々映し出され、そこに映るヒデキの足の裏をしばらく愛でることになるなどなど。これも会場がいかにエキサイティングであったかの証!