有村架純と脚本家・岡田惠和が語るドラマ「さよならのつづき」での新たな挑戦
岡田:直接話すことはそんなになかったんですが、このドラマのプロデューサーの岡野真紀子さんとは本当に時間をかけて話し合っています。だから岡野さんは、この部分はこういう気持ちで書いているっていう正解を100%知っているので、(岡野さんが)有村さんと話されるときも、僕の書いたときの気持ちが正確に伝わっていたと思います。
――有村さんは撮影に入って、岡野さんや監督とやりとりする中で、さらに解釈が深まった部分はありましたか?
有村:そうですね。さえ子というキャラクターについて、周りの皆さんと話している中で、エネルギッシュで自分の気持ちにいつも誠実に向き合って生きている女性像にしようということになりました。私にとっても、さえ子は演じたことのないような女性だったので、さえ子という人を知っていく中で、どんどん魅力的に感じました。
――坂口健太郎さんが演じる大学職員の成瀬和正とのシーンは、繊細なシーンばかりだったのではないでしょうか?
有村:今回も、とても難しい作品を一緒にチャレンジさせてもらいました。過去作品でも坂口さんとは、お互いに傷つけあう役どころだったり、思いあっているけれど、別の人生を歩んでいく役だったりと、一筋縄ではいかないものばかりでした。今回も2人で、「とっても難しい作品だね」って話していました。2人で話し合った結果、「もしかしたら、こういうシーンがあったらいいんじゃないか」と思うところがあって、すごく短い部分ではありますが、追加のシーンを撮ることになったりということもありました。本当に、みんなで一緒になって作っていきました。
――それはどのようなシーンだったんですか?
有村:成瀬が働く大学の施設の中にカフェを作ろうということになって、コーヒーの専門家であるさえ子が偶然、一緒に働くことになるんです。そのときに、2人が一緒になにかを成し遂げるプロセスを見せるシーンがあまりなかったので、それを少しだけ追加してもらいました。2人が恋愛とかそういうことではなく、なんとなく一緒に行動することで通じ合ったという気持ちが、少しだけ濃く見えたらいいのかなっていうことで、追加してもらったんです。