監督・仲 里依紗、主演・秋山竜次。これで面白くならないワケがない!
仲 「邪念2で!」とかね(笑)。 秋山 演技していると「それだとちょっと多いっすね、もう1で」みたいな謎の指導でしたよね。周りの人にとっては、何を指導してるんだろうみたいな感じ(笑)。でも僕にとっては「ああ、あれですね」って、わかりやすかったです。それに、ここの顔ってどうやるんですかと聞くと、「こんな感じ」と伝えるだけじゃなくて、仲さんが1回やってくれるので、それを見て完コピすれば答えが出る。“仲 里依紗演技スクール”みたいな感じでした。 ── 仲さんは実際の監督の仕事はどうでしたか? 仲 監督ってすべてを決めなくちゃいけないんですよね。だから、ずっと何これっ? えええ無理~ってなってました(笑)。 秋山 当たり前でしょ(笑)。監督はそういうもんなのよ(笑)。 仲 周りのスタッフからも、すぐ呼ばれるんですよ。監督、監督! って至るところから探されて、びっくり。ご飯ひと口食べたら「監督!」「はい!」みたいな(笑)。 秋山 そうそう、妹さんとYouTube撮って、その隙間にご飯食べている時に「え、もう???」みたいな感じになってましたね。でも監督に「楽屋にいてください」はないから(笑)。 仲 監督って、こんなに大変なんだって実感しましたね。だから今後も監督に言われたことをちゃんと聞こうとより強く思いました。監督の撮りたいものを撮らせてあげたいという気持ちが芽生えました。
その人にも家族がいたり、その人だって誰かの子供だし……(仲)
── 秋山さんのほかに、杉本哲太さんや寛一郎さんも出ていらっしゃいますが、監督としてはどのようにコミュニケーションされましたか? 仲 杉本さんは大先輩なので、そんな方に演技指導してるなんて……(笑)。でも衣装合わせの時に、「哲太さん、ほんっとにご負担がないように」とお願いしました。 秋山 そんなこと言う監督いないですよ(笑)。気を遣いすぎですよ、本当に(笑)。 仲 あと、画角上見切れちゃうと次のカットの撮影まで残る必要があるので、見切れないようデスクの位置を動かしたりして、なるべく早く帰っていただくような撮り方をしました。例えば手元を入れた絵を撮っちゃうと、その寄りはだいたい最後に撮るので、必要なければ手に持たないとか。 秋山 おい、そんな裏ワザがあんの? すげえな、それ! そっちの世界すぎるよ(笑)。 ── 今回のストーリーは、芸能スキャンダルということがひとつのテーマになっています。そのアイデアはどういったところから生まれたのでしょうか? 仲 やっぱりそういうことによって当事者や周りの方が悲しい思いをしたり、心を病んでしまうこともある。記事に書かれる方も記事を出す方も、その人にも家族がいたり、その人だって誰かの子供だし……ということを考えちゃうんですよね。いい思いをする人っていないよなと思っていて。 秋山 でもそれをホラーでという切り口がすごいですよね。こういうタイプのホラーってないと思う。 仲 ジャンルとしてホラーをやるうえで、病んでいく主人公を描くにはそういう題材がいいんじゃないかと思ったんです。最初にストーリーをバ~ッと書いて、原案を出したんですが、最後にどう思うかは見ている人に決めてもらいたいと思っています。