ゆるやかな糖質制限で「排尿障害」防ぐ テストステロンが関係 野菜摂取で肥満・メタボ・更年期障害を同時に解消
【徹底解説・第3弾 男性更年期・治療と予防】 uMIST東京代官山 斎藤恵介院長に聞く 【写真】半チャンセットは男性更年期障害の敵だ 肥満やメタボリックシンドロームと男性ホルモンのテストステロンの低下は、双方向に関係している。肥満やメタボになれば、テストステロンの分泌量も減り、テストステロンが減ると体重が増え、生活習慣病も後押しされる。そして、もうひとつ、排尿障害にも関わるという。 「テストステロンの分泌量が減ると、抗利尿ホルモン(バソプレシン)の受容体の感受性の低下や分泌量が減り、夜間多尿を起こしやすくなります。一方、肥満やメタボでは、膀胱の柔軟性が失われ、尿意を感じやすくなり、体外水分均衡の不均衡が起こりやすく夜間多尿につながります。肥満とメタボ、テストステロンの分泌量の減少が合わさることで、排尿トラブルを起こしやすいのです」 こう指摘するのは、「泌尿器・日帰り手術クリニック uMIST東京代官山―aging care plus―」(東京都渋谷区猿楽町)の斎藤恵介院長。順天堂大学医学部附属病院にも所属し、日本メンズヘルス医学会のテストステロン治療認定医・サルコペニア指導士でもある。 国内では、肥満に該当するBMI(体格指数=体重kg÷身長m2乗)25以上の人は、男性で約3割、女性で約2割(厚労省2019年「国民健康・栄養調査」)。肥満でテストステロンの分泌量が減り、夜間頻尿に陥るなど、男性更年期障害を知らぬ間に抱えた人がいる可能性がある。 「男性ホルモンの改善はとても大切で、ダイエットも男性ホルモンを上げる一つの方法です。脂肪が増えるとテストステロンが低下することも知られています。また、内臓脂肪で膀胱や尿道が圧迫されると、尿意を抑えられず、尿失禁になりやすい。私がお勧めしているダイエット法のひとつは、ゆるやかな糖質制限です」 糖質は、ご飯やパン、麺類、菓子や果物などに含まれる。糖質をたくさん摂ると、中性脂肪に変わって内臓脂肪として蓄えられ、肥満やメタボにつながる。糖質を抑えると中性脂肪の蓄積が抑えられる。 ただし、極端な糖質制限は逆効果。テストステロンはコレステロールを原料に合成されており、その合成に糖質は欠かせない。肉類中心の極端な糖質制限を続けていると、テストステロンの分泌量が減ってしまう。