体に悪いって本当? 低カロリー甘味料「キシリトール」について知っておきたいこと
キシリトールの使用
2型糖尿病など、炭水化物の総摂取量や血糖値を管理する必要がある人にとって、キシリトールは従来の砂糖の代用として使えます、と話すのは、シェフ、登録栄養士で『ザ・プラントベースド・ダイアビーツ・クックブック』の著者でもあるジャッキー・ニュージェントさん。「一般的な砂糖のカロリーは1gあたり4kcalですが、キシリトールは1gあたり2.4kcalなので、肥満や太りすぎの人のダイエットに役立ちます」と指摘する。さらに、キシリトールには満腹感を高める効果がある可能性が研究で示唆されています、と彼女は話す。歯の健康を改善するいっぽうでキシリトールを甘味料として使う人もいるでしょう、とデローチャさんは補足する。
キシリトールは歯に影響する?
答えはイエス。キシリトールは歯の健康にいい影響をもたらすことが期待できます、と話すのは、バプティスト・ヘルス・マイアミ・カーディアック・アンド・ヴァスキュラー・インスティチュートの予防心臓専門医であるアデダポ・イルヨマデ医学博士。「キシリトールは口内の有害な細菌の増殖を抑えることから、虫歯や歯の腐食リスクを低下させます。歯磨き粉やマウスウォッシュにキシリトールがよく含まれているのはそのためです」と彼は説明する。 キシリトールは虫歯のリスクを減らすだけでなく、唾液の分泌を促進し、酸を中和して歯のエナメル質を修復するのに役立ちます、とデローチャさん。「キシリトールガムを噛むと唾液の分泌が増え、歯垢の形成が減るため、口腔衛生の維持に役立ちます」と彼女はアドバイスする。
キシリトールは犬に有毒?
答えはイエス。キシリトールを含む食べ物は犬には有毒なので、愛犬に与えないでください、と話すニュージェントさん。「でも、猫(またはフェレット!)がひと舐めしたくらいなら、深刻な問題には発展しません」と彼女は指摘する。 キシリトールを使用する人はみな、それが犬にとって非常に有毒であることを知っておくべきです、とイルヨマデ博士は話す。「たとえ少量でも、誤って摂取すると致命症になる危険性があります」というこの意見に同意するデローチャさん。キシリトールは、微量でも愛犬に以下を含む深刻な健康問題を引き起こす可能性がある。 ・低血糖症:キシリトールは犬の体内でインスリンの急速な分泌を引き起こし、血糖値の急激な低下(低血糖症)の原因となる。低血糖症の症状には、嘔吐、衰弱、倦怠感、協調運動障害、卒中などがあり、重症の場合は昏睡状態や死に至ることもある。 ・肝臓障害:犬がキシリトールを大量に摂取すると急性肝不全を起こし、死に至る恐れがある。肝不全の症状はすぐには現れないかもしれないけれど、黄疸、嘔吐、下痢、倦怠感などの症状が現れる。 犬がキシリトールを摂取した疑いがある場合は、すぐに獣医の診察を受けることが重要です、とデローチャさんは忠告する。「なるべく早く治療を開始することで、回復の可能性が大幅に高まります」と彼女は話す。