体に悪いって本当? 低カロリー甘味料「キシリトール」について知っておきたいこと
キシリトールの副作用
人間の場合、キシリトールの摂取は一般的には安全ですが、大量に摂取するといくつかの副作用が起こる可能性があります、とデローチャさん。彼女によると、下記のような症状が含まれるそう。 ・胃腸の不調:もっとも一般的な副作用には、膨満感、ガス、下痢といった消化器系の不調が挙げられる。キシリトールは糖アルコールのため、腸内細菌によって発酵されてこれらの症状を引き起こす。 ・下剤効果:キシリトールを大量に摂取すると、その下剤効果により排便の回数が増え、下痢を起こす可能性がある。 ・アレルギー反応:稀ではあるけれど、キシリトールに対して皮膚の発疹や呼吸器系の問題などのアレルギー反応を起こす人もいる。 ・栄養素の吸収の阻害:キシリトールを含め、糖アルコールを過剰に摂取すると、特定の栄養素や電解質の吸収が阻害される場合がある。 砂糖不使用のガムやキャンディーなどに含まれるキシリトールを適量摂取しても、ほとんどの人は何の問題もありません、と話すデローチャさん。しかし、過敏性腸症候群(IBS)やそのほかの胃腸過敏症がある場合は、より顕著な副作用を経験する可能性があると彼女は指摘する。
まとめ
一般的に、この糖アルコールを甘味料として多量に含む食品や飲料は、一日あたり2サービング以上ではなく、1サービング程度楽しむのが賢明でしょう、と話すニュージェントさん。しかし、心血管疾患を患っている、または患うリスクがある人は、キシリトールの使用について医師に相談するのが最善です、とニュージェントさんはアドバイスする。「少量で利点があるからといって、多く摂取すればいいわけではありません。またこの研究結果を参考にすると、キシリトールの摂取量が増えるほど、心血管の健康リスクが高まる可能性があります」とニュージェントさんは指摘する。 この新しい研究は、キシリトールの摂取と心臓発作や脳卒中のリスク増加の関連性を浮き彫りにしました、と話すイルヨマデ博士。「これは重要な発見であり、節度のある摂取とさらなる研究の必要性を強調しています」キシリトールは低いグリセミック指数(血糖値への影響が少ない)や歯の健康におけるメリットなどの利点がありますが、心血管リスクの観点からすると摂取の際には注意が必要です、とイルヨマデ博士は話す。患者はこれらのリスクを認識し、キシリトールを含む食生活の変更を検討する際は、医療提供者に相談するべきでしょう、と博士はアドバイスしている。
translation : Mutsumi Matsunobu cooperation : Yumi Kawamura photo : Getty Images