「東京美肌堂」、スキンケア薬の定期便を5万人利用 月間売上は約3億円、オンライン診療で顧客獲得
LATRICOは2020年から、美容皮膚科に特化したオンライン診療と、医療用医薬品の定期便を併せたサービス「東京美肌堂」を運営している。現在、約5万人のユーザーが同サービスの診療後、継続して定期便を利用している。月間の売り上げは約3億円に上る。 【画像】公式アンバサダーの藤本美貴を掲載したECサイト 同サービスはコロナウイルスの影響で、厚生労働省がオンライン診療の規制緩和を行ったことをきっかけに開始した。 多くのオンライン診療サービスが、ダイエットや薄毛、ピル処方などの”ついで”のような形でスキンケア領域にも着手している中、同社は美容皮膚科に特化している点が強みとなっている。 「スキンケアという、一人一人異なる深い悩みを抱えているところに、サービス開始当初からフォーカスしてきた。『医療を使って身体の悩みを解決する』というのが、われわれのスタンス。医師が丁寧にカウンセリングを行い、なぜ医療用医薬品で治療するのか、なぜこの薬を継続する必要があるのかを説明し、納得感を持ってもらうことが重要」(濱口友彰CEO)と話す。 現在、約140人の医師が同サービスでのオンライン診療に対応している。医師の採用や育成に注力したという。1カ月間に約50人の医師と面談を行い、ユーザーに寄り添った診療ができる医師をそろえた。面談の通過率は4割程度だという。 「スキンケアに医療用医薬品を取り入れたことがない人にも『やってみよう』と思ってもらわなければならない。継続して定期便を利用してもらうには、初診で継続することの重要性を理解して、腹落ちしてもらう必要がある。各医師に90分かけて接客フローやサービス知識をレクチャーし、トークスクリプトも30回以上更新している」(同)と話す。 現在、ユーザーの90%以上は女性だが、男性も少しずつ増えているという。年代は20~50代までと幅広い。子育て中で美容皮膚科に行く時間がない人や、地方や離島など美容皮膚科がない地域に住んでいる人に重宝されているという。定期便なので毎回、診察料や病院に行く交通費の負担がないのも、ユーザーのメリットだとしている。 当面は美容皮膚科の領域に注力する計画だが、長期的には医療を活用して体の悩みを解決する、総合プラットフォームを目指す考えだ。各分野の医師や専門家、サプリメーカーなどのサプライヤーを巻き込み、ダイエットや男性の加齢の悩みにも市場を広げていきたいとしている。
日本ネット経済新聞