クルマの「ドアバイザー」は必要?不必要? 装着率わずか「48%」の現実、メリット・デメリットを再考する
現代車両とのギャップ
一方で、ドアバイザーにはデメリットも存在する。まず、 「見た目がダサい」 という意見がインターネット上で多く寄せられている。クルマのデザインにこだわるユーザーにとって、ドアバイザーはスタイリッシュな外観を損なう要因となりえるのだ。また、現代のクルマはデザイン性を重視する傾向にあり、新車で標準装備される車種も減少している。 さらに、現代の車両には高度な空調システムが搭載されており、ドアバイザーの必要性が薄れてきている。例えば、エアコンやデフロスターの性能が向上し、窓ガラスの曇りを効率的に防止できるようになった。このため、雨天時の換気目的でのドアバイザーの使用頻度が減少している。 また、ドアバイザーが原因で走行中に風切り音が発生することもある。特に高速道路を走行する際には、この音が車内の静粛性を損なうことがある。音に敏感なドライバーにとっては、これがストレスの原因となりえるだろう。 さらに、ドアバイザーは外部に取り付けられるため、経年劣化による割れや色あせ、取り付け部分の緩みなどが発生することもある。これにより、美観だけでなく機能面でも問題が生じる可能性があるのだ。 そしてドアバイザーの掃除も、手間がかかる点のひとつとして挙げられる。クルマの洗車時にドアバイザーの裏側までしっかりと洗うことは難しく、汚れがたまりやすい。特に、長期間放置すると汚れがこびりついてしまい、見た目が悪くなることもある。このようなメンテナンスの手間を嫌うユーザーにとっては、ドアバイザーは不便なアイテムとなってしまう。 このように、ドアバイザーには見た目やデザインの問題、メンテナンスの手間、走行中の風切り音など、さまざまなデメリットが存在するのだ。
装着率48.0%
クルマのドアバイザーは、利便性と実用性から多くの支持を得てきたが、現代の車両技術の進化にともない、その必要性が見直されている。 イーデザイン損保が2019年2月に実施したアンケート調査によると、全体のドアバイザー装着率は 「48.0%」 であった。この調査結果からもわかるように、ドアバイザーの装着に関しては賛否両論が存在し、必要派と不要派の意見としては先述したとおりである。加えてドアバイザーの装着に関しては、個人の ・ライフスタイル ・価値観 に大きく依存する。例えば、頻繁に雨が降る地域に住むドライバーや、タバコを吸うドライバーにとっては、ドアバイザーの利便性は高く評価されるだろう。しかし近年では、カーエアコンの進化のみならず、 ・ユーザーの健康意識の変化にともなうタバコ離れ ・クルマのエクステリアへの配慮 などが少なからず影響しており、装着率が減少傾向にあるのだ。とはいえ、最終的にはドアバイザーの装着は個々のニーズに応じて判断されるべきであり、それは単なる飾りではなく、実用性に優れたパーツであることに違いない。 また「ダサい」と言われる見た目に関しても、スモークにしたりステッカーを貼ったりすることで、自分好みの“カッコいい”と思えるクルマに変身させられるのだ。そのため、一概に必要・不要と判断せず、ドアバイザーのメリットとデメリットを理解し、自身にとって最適な選択をとることが“正解”といえるのではないだろうか。
木村義孝(フリーライター)