FA獲得側に異変?!ソフトバンクの今オフFA撤退路線は正解か
FA行使の締め切り期限が明日9日に迫り、FA選手が出揃った。正式に届出、もしくは表明したのが、オリックスの糸井嘉男(35)、西武の岸孝之(31)、日ハムの陽岱鋼(29)、ソフトバンクの森福 允彦(30)の4人。横浜DeNAの山口俊(29)も、FA行使が濃厚と見られている。 オリックスの糸井には阪神、岸には楽天がラブコールを送り、陽にはその糸井流出が濃厚なオリックスと楽天が調査に乗り出し、森福、山口には巨人が興味を示しているようだが、今オフは獲得に乗り出す側に異変が起きている。“FA市場”では、主役を張ってきたソフトバンクの名前が出てこないのだ。 台湾出身で高校時代を福岡第一高で過ごした陽は、2005年のドラフトでソフトバンクと日ハムにドラフト1位入札され、王貞治氏が当たりくじを勘違いするという“運命の悪戯”もあって日ハムへ入団した。故郷の英雄、王貞治氏との関係性や、地元福岡出身であることを考えると、陽がFA宣言した場合、ソフトバンクが移籍先として最有力と見られていたが、なぜかソフトバンク側は沈黙を守っているのだ。 ソフトバンクは、2010年に西武の細川亨捕手、 横浜の内川聖一の2人をFAでダブル補強したところから始まり、 2011年に西武の帆足和幸、2012年にオリックスの寺原隼人、Bクラスに沈んだ2013年のオフには、日ハムの鶴岡慎也捕手、中日から中田賢一投手の2人を獲得、2014年シーズンにリーグ優勝、日本一を手にした。2014年オフからは、国内FA選手の獲得はないが、松坂大輔をメジャーから3年12億円の契約で凱旋させ、昨年オフには和田毅を5年ぶりにメジャーから凱旋帰国させるなど、金満野球の批判を受けながらも「利益はファンに還元する」との孫オーナーの号令の元、指針を貫き、積極補強を推し進めてきた。 しかし、評論家のほとんどが優勝予想していた今季は、11.5ゲーム差を日ハムに逆転されて優勝を逃しCSでのリベンジも果たせなかった。外国人大砲の不在を含む“貧打線”、中継ぎ陣の弱体化など、チームの補強ポイントを露呈した。当然、優勝奪回に向けて大補強に動きだすものと見られていたが、コーチ人事などチーム内改革には手をつけたが、FAに関しての動きは消極的だ。補強に関しては、大砲候補の新外国人の調査を進めているのと、オフの恒例とも言えるカブスの川崎宗則へのラブコールを続けているくらいである。