FA獲得側に異変?!ソフトバンクの今オフFA撤退路線は正解か
関係者の話を総合すると、優勝は逃したが、83勝54敗 6分の数字は優勝に値する内容で、Bクラスに終わったわけではないという今季の総括がされていて、大補強に乗り出すほどの切羽詰った状況ではない。補強ポイントは、外国人獲得でクリアするチーム方針だという。 元ヤクルト、西武で監督を務めた広岡達朗氏は、「金を使ってFA選手をかき集めるやり方ではチームを常勝軍団にはできない。今年、広島が見せた野球が各球団が目指すべきモデルケースだろう。資金力にものを言わせるソフトバンク、巨人、阪神という球団は、本来のチーム作りのあり方を見直すべきで、ソフトバンクが動かない理由が、それであれば評価すべき」と、ソフトバンクの今オフのFA撤退を評価している。 先日のU-23杯では、侍ジャパンに選ばれた真砂勇介外野手(22)が、4本塁打、14打点の大活躍を見せて大会MVPを獲得するなど存在感を示した。3軍制を敷いているファーム組織からは、期待の若手も育っていて「FA補強より若手にチャンス」という考え方は理想的だ。 だが、その一方で「勝つことを義務付けられているチーム」の宿命として、「陽がFAしたのならば動くべきではないか」という意見もある。 ソフトバンクを中心に見ている評論家の池田親興さんは、「陽はFAをしたのだから検討すべきだろう。クライマックスシリーズは、陽のスーパーキャッチ、つまり守備力で負けたようなもの。あのスピードは魅力だと思う。柳田悠岐が故障したときに外野陣の課題が明らかになったし、陽はドラフトの因縁からソフトバンクに縁のある選手でもあるからね」と、陽の獲得に賛成の意見を持つ一人。 11月11日がFA行使をした選手に対する交渉解禁日。いざ蓋をあけてみれば、ソフトバンクがどう動くかはわからないが、阪神、巨人、オリックスなど早々と手を挙げている球団からすれば、沈黙を守っているソフトバンクの動きが戦々恐々であることは確かだ。